先天性水頭症の発症メカニズム理解に期待
東北大学の研究チームは、骨形成因子が脳室上衣細胞の繊毛形成を制御していることを発見したと発表しました。繊毛の形成障害は水頭症の発症に繋がることが知られており、本研究結果が先天性水頭症の発症メカニズムの理解に寄与すると期待されています。
脳内に存在する脳室には脳脊髄液が循環しており、この循環は脳室上衣細胞の持つ繊毛の動きによって作り出されます。繊毛の形成や働きに異常があると脳脊髄液の流れがうまくいかず、水頭症の原因になり得ることが知られています。今回、研究グループは仔マウス脳から単離した細胞に骨形成因子として知られるBMP2とBMP4タンパク質を添加することで、上衣細胞の成熟過程で作られる繊毛の形成を顕著に阻害することを示しました。BMPが脳室での繊毛形成を制御する因子あることが新たに示された本研究結果は、先天性水頭症の発症メカニズム理解に繋がると期待されています。
出典元
東北大学 プレスリリース
