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農業で恩返しを。白石敏明さん|潰瘍性大腸炎(UC)

今回は8歳で潰瘍性大腸炎(UC)を発症し、現在は、実家の家業である農園で働く白石敏明さんにお話を伺いました。

これまでの経緯

  • 1991年 北海道北斗市に生まれる
  • 1999年 8歳で潰瘍性大腸炎を発症
  • 2002年 大腸全摘出の手術を受ける
  • 2019年 白石農園で就農

8歳で発症

初めまして、白石敏明です。

8歳のときに潰瘍性大腸炎を発症しました。

それまでは健康で元気だったのですが、あるとき、腹痛や下痢をすることが多くなりました。突発的というよりも、ずっと痛いという感じでしたね。

はじめは、ストレスとか、身体の成長に伴う異変かと思っていました。

潰瘍性大腸炎は、15歳から20歳代で発症しやすい病気です。

小児科で診てもらっていたのですが、まさか8歳で発症しているとは思わず、半年間くらいは原因が分からないまま不調を抱えて過ごしました。

病名がわかって、すぐに入院になりました。

そして、絶食しました。

9歳の時に1ヶ月間絶食しましたが、本当に辛かったですね。

その後は、小学6年生になる頃に、病院併設の養護学校に入って半年間入院生活をして色々な治療を試したりしたのですが、うまくいかず、小児科での治療は難しいという判断になりました。

大腸全摘出

中学1年生の終わり頃に大腸全摘出の手術を受けることになりました。

大腸がんではなく、潰瘍性大腸炎で摘出手術を受けるのは珍しいことのようです。

しかしそのときは、ステロイドパルス療法、血球成分除去療法など、考えられる処置を尽くしても症状が収まらず、緊急手術のような状況でした。

手術後はしばらく人工肛門でした。

人工肛門から便を排泄させるのですが、その部分のケアが必要です。

慣れるのには時間がかかりましたし、中学生という多感な時期なので、苦労もありましたが、大体のものが食べられるようになって、それは嬉しかったです。

好きなものが食べられない生活が、そのときすでに4年も5年も続いていたので。

2回目の手術で、人工肛門を取りました。

しかし、術後2週間くらい経ったときに高熱が出たんです。

はじめは感染症にかかったのではないかと疑われたのですが、検査をすると、回腸嚢炎という排泄部に炎症が起きる病気になっていることが分かりました。

人工肛門をとった後に起こることとしては、珍しくはないようですが、普通は術後1年とか、早くても数ヶ月後ということが多いようです。

もしかしたら最初から炎症があったのかもしれません。

その後は、自分に合う薬が見つかって比較的安定した状態の頃もあったのですが、その薬が保険適用されなかったり、また、効き目がだんだん弱くなってきたので、他の薬を使ってみたりしました。

いくつかの薬を試してみたのですが、中々うまくいかなかったですね。

しばらくは効果があっても、すぐに効かなくなってきたりするんです。

そして2024年1月、急な下血があり緊急入院となったこともあって、回腸嚢を摘出し、人工肛門を付ける手術を受けることを決断しました。

これは、以前から検討していたことでもありました。

しかし、手術までの期間、薬を飲まなくなっていたときに、逆に調子が良くなったのです。

結果的に、一度は決断した手術は回避することになりました。

発症以来、初の試みなのですが、投薬しない状況で体調管理してみたいという私の希望を先生が聞き入れてくれた形です。

今のところ状態は良いです。

潰瘍性大腸炎患者の苦労

潰瘍性大腸炎の患者の多くは、難病を抱えているようには見えません。

でも、調子が悪くなると、強烈な腹痛、下痢、血便などの症状が出ます。

あと、調子がいいと言っても、普通の方の生活とは、やっぱり違います。

排便障害があるので、トイレは1日で7回ぐらい行きます。

潰瘍性大腸炎の患者の皆さんがそういうわけではないのですが、私の場合は大腸を摘出しているので、便を溜めておくことができないんです。

調子が良くても、寝るときはオムツを履いています。

どうしても便漏れをしてしまうことがあるので、ないと安心して眠れないんですよね。

また、外出のときもやっぱり困ることがありますね。

まずは食事ですね。

外食になると、お店も分からないので、体に良いものにありつけなかったりするので。

あと便漏れもあるので、いろいろ神経を使いますね。

ただ、病気になってから一番辛いのは、恐怖と戦うことなんです。

食べ物、睡眠不足、仕事の疲労やストレス、何がきっかけで体調が悪くなるか分からないので、私生活で何をしていても常に病気のことが頭から離れません。

何か新しいことをする場合は、入院してもいいという覚悟が必要です。

実際、これまで16回も入院しています。

今後の目標

今は実家の家業である農業をやっていますが、親のサポートもあって、良い環境で過ごせています。

今後は、病気になって、大腸がない状態でも農業をやっていけているということを色々な方法で発信していきたいと思っています。

それを見て勇気づけられる人が少しでもいれば嬉しいです。

また、8歳で病気になってから両親にはお金も心配もかけさせています。

家業である白石農園で頑張ることで恩返ししたいですね。

小さい農園ではありますが、私で5代目になるんです。

これまでになかった新しい価値を自分の代で生み出すこと、そして、私の住んでいる北斗市の農業を盛り立てていくことが目標です。

いろんなことにチャレンジしていきたいです!

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