ネクスビアザイム、乳児型ポンペ病患者さんを対象とした第III相試験で全ての評価項目を達成
仏サノフィ社は6月30日、生後 0~6 カ月齢で未治療のポンペ病患児さんを対象にネクスビアザイム(アバルグルコシダーゼ アルファ)を評価した第 III 相単群非盲検試験である Baby-COMET 試験(試験 ID:NCT04910776)で肯定的な結果が得られ、主要評価項目である 52 週時点で生存かつ侵襲的換気が不要な患児の割合を達成したと発表しました。また、試験は全ての副次評価項目を達成し、12 および 18 カ月齢時に生存し侵襲的換気が不要な患児の割合や、投与 52 週時の病勢進行指標の改善などが認められました。
ポンペ病は、酵素の欠乏により全身の筋肉機能が低下する遺伝性の進行性神経筋疾患です。なかでも乳児型ポンペ病は最も重症で、生後数カ月以内に症状が急速に進行し、未治療のままだと心不全や呼吸機能低下などで生後1年以内に死に至る恐れがあります。
ネクスビアザイムは、不足する酵素の細胞内への取り込みを向上させ、筋肉に蓄積した過剰なグリコーゲンを取り除くよう設計されています。日本では2021年にポンペ病の効能又は効果で承認を取得しています。
今回の試験では、未治療の乳児型ポンペ病の患児さん17名が参加しました。その結果、投与開始52週後に生存し、人工呼吸器などの侵襲的な換気を必要としない患児の割合を示す主要評価項目を達成しました。また、12および18カ月齢時の生存・侵襲的換気不要の割合や、心機能、運動機能の指標の改善など、全ての副次評価項目も達成しました。試験における薬の忍容性は良好で、安全性はこれまでに確立されたものと同様でした。治療に関連する重篤な有害事象や死亡、治療の中止はみられず、患児の29.4%に輸注関連反応が認められました。
米国ノースカロライナ州デューク大学医学センター小児科教授、YT and Alice Chen 小児遺伝学・ゲノム医学センターメディカルディレクター兼臨床遺伝学部門長の Priya S. Kishnani 医師はプレスリリースにて、「乳児型ポンペ病は、生後数日または数週間以内に発症し、急速に進行する深刻な疾患です。生後 1 年を超えて生存し、侵襲的換気を必要としない生活を送るには、早期介入が極めて重要です。Baby-COMET 試験は、アバルグルコシダーゼ アルファにより、患児が人工換気を必要とせず生存できる可能性が示されました。また、心機能や運動機能の転帰についても有望な結果が得られ、乳児型ポンペ病の治療の発展につながる可能性のある重要な知見と考えています」と述べています。
また、サノフィのグローバル開発ヘッドである Christopher Corsico氏 は次のように述べています。「今回得られた肯定的な結果は、生後数カ月間の治療選択肢が限られているお子さんやそのご家族に対し、ネクスビアザイムによる治療機会の拡大につながる可能性を示すものです。Baby-COMET の結果は、これまで臨床試験で得られた知見と同様であり、私たちがポンペ病のコミュニティにおける臨床面での進歩を目指し、長年にわたり積み重ねてきた科学研究の成果を反映しています」と述べています。
なお、同研究の成果は、2026年7月8日にイタリアで開催された第19回国際神経・筋学会で発表されました。
