筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行を左右する免疫チェックポイント分子「LAG-3」を発見
慶應義塾大学と名古屋大学は7月16日、免疫チェックポイント分子「LAG-3」が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)におけるミクログリアの機能を病気の進行段階に応じ て切り替えるスイッチとして働くことを発見したと発表しました。
筋萎縮性側索硬化症(ALS、指定難病2)は、全身の筋力が低下していく重篤な神経変性疾患です。進行を左右する要因として、ミクログリアが引き起こす神経炎症が注目されてきました。

今回、研究グループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスを用いて解析しました。その結果、病気の進行に伴って脊髄ミクログリアにおけるLAG-3の量が増加していることが分かりました。さらに、LAG-3を持たないマウスを用いた実験では、病気の発症自体は早まるものの、発症後の進行は緩やかになるという変化が確認されました。この一見矛盾する現象は、LAG-3がミクログリアの持つ炎症を起こす働きと、不要物を掃除する貪食の働きを、病気の段階に応じて別々に制御しているために生じることが明らかになりました。実際に病気が進行した段階においては、LAG-3がないことでミクログリアの炎症機能が抑えられる一方で、貪食の機能は増強されており、脊髄全体の環境改善もみられました。


今回の発見により、免疫チェックポイント分子を標的として、病期に合わせてミクログリアの働きを選択的に調節するという、筋萎縮性側索硬化症(ALS)をはじめとする神経変性疾患に対する新たな治療戦略の開発につながることが期待されます。
