血友病A治療薬「ヘムライブラ」創製の中外製薬研究者3名が「ラスカー賞」を受賞
中外製薬株式会社は9月9日、血友病A治療薬ヘムライブラ(一般名:エミシズマブ)の創製を主導した、服部 有宏氏(元中外製薬 シニアフェロー)、北沢 剛久氏(中外製薬 研究本部副本部長)、井川 智之氏(中外製薬 研究本部長)の3名が世界的に権威のある科学賞である「ラスカー・ドゥベーキー臨床医学研究賞」を受賞したと発表しました。
血友病Aは、血液を固めるために必要な血液凝固第VIII因子が欠乏し、出血が止まりにくくなる疾患です。受賞対象となったヘムライブラは、欠乏している第VIII因子そのものを補うのではなく、活性型第IX因子と第X因子の2つに結合して橋渡しをする「バイスペシフィック抗体」を用いてその働きを代替するという独自の着想から開発されました。従来の抗体医薬が特定の働きを抑える「引き算」であるのに対し、抗体そのものが不足するたんぱく質の機能を代替して補う「足し算」の発想を実現した世界初の抗体医薬です。
ヘムライブラは、1週から4週に1回の皮下投与が可能であり、従来必要とされていた頻回な静脈注射に比べて治療の利便性を向上させました。さらに、第VIII因子に対する抗体(インヒビター)の有無を問わず持続的な出血予防効果を発揮します。本薬剤の開発では奈良県立医科大学との協働や独自の製造技術「ART-Ig」の開発が行われ、ロシュ社およびジェネンテック社との連携を通じて120を超える国や地域で承認され、これまでに累計で3万人を超える患者さんに使用されています。
