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シェーグレン病における自己免疫の悪循環の仕組みを解明、新たな治療法開発に期待

慶應義塾大学は6月4日、JSR株式会社との共同研究であるJKiC次世代プロジェクトにて、自己免疫疾患のシェーグレン病において、免疫細胞が相互に作用して病態を長引かせる自己免疫の悪循環の仕組みを解明したと発表しました。

シェーグレン病(指定難病53)は、本来は外敵から体を守る役割を持つ免疫細胞が、誤って自身の涙腺や唾液腺を攻撃してしまう疾患です。主な症状として、ドライアイ(目の乾燥)やドライマウス(口の乾燥)などがあります。日本国内にはおよそ10万人から30万人の患者さんがいると推定されています。現在、この病気に対する根本的な治療法は確立されておらず、症状を和らげる対症療法や免疫全体の働きを抑える治療が中心となっています。

今回、研究グループは、シェーグレン病の病変である唾液腺組織に集まっている免疫の司令塔であるCD4陽性T細胞の標的について詳しく調べました。細胞一つひとつの遺伝子や機能を調べる技術と、T細胞が反応する相手を調べる技術を組み合わせて解析したところ、Ro60と呼ばれるタンパク質に反応するCD4陽性T細胞が存在することがわかりました。さらに、その多くが抗体を作るB細胞の働きを助ける性質を持つ細胞であることも明らかになりました。

画像はリリースより

以前の研究において、病変部位に存在するB細胞がRo60に対する自己抗体を作っていることが報告されていました。今回の結果と合わせることで、B細胞がRo60に対する自己抗体を作り、その結果としてRo60に反応するT細胞が活性化し、さらにそのT細胞がB細胞による自己抗体の産生を助けるという悪循環が起きていることが示されました。この仕組みが繰り返されることが、病気が慢性的に続く原因と考えられています。

画像はリリースより

現在の免疫治療ではすべての免疫細胞の働きを抑えてしまうため、感染症などに対する抵抗力も下がってしまうという副作用の課題があります。今回の研究成果より、この悪循環を断ち切ることで、正常な免疫には影響を与えずに、病気を引き起こす自己免疫反応のみを選択的に抑える新しい治療法の開発に大きく貢献すると期待されます。

なお、同研究の成果は、米国科学誌「Science Advances」に6月3日付で掲載されました。

出典
慶應義塾大学 プレスリリース

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