UCLとエーザイ、神経変性疾患に対する創薬共同研究を2030年まで延長
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(以下UCL)とエーザイ株式会社は6月30日、神経変性疾患を対象とした創薬共同研究を5年間延長し、2030年まで継続することに合意したと発表しました。
今回の提携は、UCLの学術研究力とエーザイの創薬開発力を融合させ、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの疾患に対する新たな治療法の創出を加速させることを目的としています。この取り組みは、相互の信頼に基づく独自の提携モデルをさらに強化するものです。
2012年に開始された同研究には、これまでに総額1,000万ポンドが投資され、複数の創薬標的を対象とする8件のプロジェクトが進められてきました。代表的な成果のひとつとして抗MTBRタウ抗体であるetalanetug(一般名、開発コード:E2814)があり、現在は複数の臨床試験で評価が行われています。また、これまでに30件を超える学術論文や学会発表などの成果を生み出しており、得られた知見を広く共有することで研究コミュニティ全体にも貢献しています。
今回の契約延長に伴い、今後5年間にわたってさらなる追加投資が行われます。新たな治療メカニズムを標的としたプロジェクトを開始するほか、有望な研究の創薬開発ステージへの進展、専門研究ポストの創出と人材育成の強化などが重点的に進められます。
UCLの副学長(研究・イノベーション・グローバルエンゲージメント担当)であるProfessor Geraint Rees氏はプレスリリースにて、「これほど深いレベルで長期にわたる産学連携は稀であり、UCLとエーザイの提携は、継続的な方向性の一致と信頼関係があれば、グローバルな健康課題への取り組みにおいて何が成し遂げられるかを示しています。今回の5年間の契約延長により、サイエンスをさらに深化させ、研究成果を実用化へとつなげるとともに、次世代の研究リーダーの育成に向けた安定した基盤がもたらされます」と述べています。
また、同研究のステアリングコミッティの共同議長であり、UCLのQueen Square Institute of NeurologyのProfessor of Clinical NeurologyであるTom Warner氏は、「今回の提携延長は、我々の協業の成熟と、神経変性疾患における困難な科学的課題に挑戦する共通の志を示すものです。今後は、有望な研究成果を治療薬として患者様にお届けする明確な道筋のもと、治療薬の実現に取り組んでいきます」と述べています。
同じく同研究のステアリングコミッティの共同議長であり、エーザイのチーフ サイエンティフィック オフィサーである井戸克俊 Ph.D.は、「UCLとの提携の特徴は、神経科学研究の深い専門性と、初期段階の研究成果を患者様の治療ベネフィットへとつなげる力にあります。Translational Research Officeは、このパートナーシップを支える上で重要な役割を担っており、緊密に連携することで、有望な研究成果を患者様の新たな治療へとより効果的に前進させることが可能となります」と述べています。
