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視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防でリツキサンが承認取得

全薬工業株式会社および中外製薬株式会社は6月20日、両社が共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン(R)点滴静注 100mg、同500mg」(一般名:リツキシマブ 以下、リツキサン)について、同日に「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。なお、リツキサンは2020年6月に希少疾病用医薬品指定を受け、2021年10月に承認申請されました。

今回の承認は、日本医療研究開発機構(AMED)研究費による支援のもと、宇多野病院臨床研究部の田原将行医長、大江田知子臨床研究部長、澤田秀幸副院長を中心に、国内の8施設で実施された日本人視神経脊髄炎(NMO)または視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)患者さんに対するリツキサンの再発抑制効果を検証した医師主導の第II/III相臨床試験「RIN-1試験)の結果に基づいています。

視神経脊髄炎スペクトラム障害は、脳や脊髄、視神経に炎症が起こり、重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の炎症性疾患。急激に症状が進むため、早期発見が重要となります。日本国内の有病率は、10万人あたり5.3人であり、全体の9割を女性が占め、30歳代後半~40歳代前半に発症ピークを迎える指定難病です。

未治療の場合、年間平均1~1.5回再発すると報告されており、再発が繰り返すことにより障害度が悪化し、QOL(生活の質)低下に繋がります。視神経脊髄炎スペクトラム障害の発症機序は、中枢神経のアストロサイトに発現するアクアポリン4に対する自己抗体による細胞傷害が主体と考えられており、リツキサンは血中のCD20陽性B細胞を除去することで、新たな自己抗体の産生を抑制することで、再発予防が期待できます。

出典
中外製薬株式会社 プレスリリース

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