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発作性夜間ヘモグロビン尿症に対するピアスカイが国内での製造販売承認を取得

中外製薬株式会社は3月26日、pH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「ピアスカイ注340mg」(一般名:クロバリマブ(遺伝子組換え)点滴静注・皮下注、以下ピアスカイ)について、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、PIG-A遺伝子に後天的に変異が生じた造血幹細胞がクローン性に拡大することにより、自己補体による血管内溶血を生じる造血幹細胞疾患です。症状は患者さんによって異なりますが。造血不全症状としての貧血や疾患特有の溶血に起因するヘモグロビン尿などが特徴です。

ピアスカイは、中外製薬のリサイクリング抗体技術を用いた抗補体C5リサイクリング抗体です。一般的な抗体では、抗原に一回しか結合することができないのに対し、ピアスカイは繰り返し抗原に結合するよう改変することで、低用量でかつ持続的な補体阻害が可能となり、4週ごとの皮下投与を実現しています。それにより、患者さんの負担を軽減することが期待できるといいます。ピアスカイとして、既存のC5阻害剤からの切替えに対する制限、および体重40kg以上の患者さんにおいて年齢に対する制限のない承認は本邦が世界で初めてです。

今回の製造販売承認は、C5阻害剤による治療歴のないPNH患者さんを対象とした第III相COMMODORE2試験、および既存のC5阻害剤からクロバリマブに切替えたPNH患者さんを対象とした第III相COMMODORE1試験等の成績に基づくものです。同試験はいずれも日本も参加しています。

代表取締役社長CEOの奥田修氏は「当社創製のピアスカイが指定難病の一つであるPNHの治療薬として本邦で承認され、新たな治療選択肢を提供できることを大変嬉しく思います。ピアスカイは、当社の抗体技術の採用により4週1回、かつ少量での皮下投与が可能です。PNHの治療は長期にわたるため、皮下投与における利便性の向上により患者さんや介護者の負担軽減と生活の質の改善に繋がると考えています。また、年齢に関わらず体重に基づいた投与が可能なため、幅広い患者さんへの治療に貢献できることを期待しています」と述べています。

なお、ピアスカイは、2024年2月に、中国において補体阻害剤による治療歴のない発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の成人および青年患者(12歳以上)さんに対し承認されています。既存のC5阻害剤からの切替えに対する制限、および体重40kg以上の患者さんにおいて年齢に対する制限のない承認は、今回の国内における承認が世界で初めてです。

出典
中外製薬株式会社 プレスリリース

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