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潰瘍性大腸炎(UC)治療薬AJM300(カロテグラストメチル)、国内第III相AJM300/CT3試験のデータをECCO’21で発表

EAファーマ株式会社とキッセイ薬品工業株式会社は7月1日、両社が潰瘍性大腸炎(UC)治療薬として共同開発しているAJM300(一般名:カロテグラストメチル)の国内第III相臨床試験(AJM300/CT3)の成績が7月2日~3日および8日~10日までバーチャルで開催される第16回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO’21)で口頭発表されると発表しました。

AJM300は、EAファーマ(旧味の素製薬)が独自に創製した低分子化合物。世界初の経口投与可能なα4インテグリン阻害剤として開発を開始し、2021年5月27日に日本国内における製造販売承認を申請しています。

AJM300/CT3試験は、潰瘍性大腸炎(UC)の基本治療薬である5-アミノサリチル酸製剤を用いても効果不十分または不耐であった中等度活動期の潰瘍性大腸炎(UC)患者さん203例を対象として、国内の82施設で実施。AJM300投与群またはプラセボ投与群に無作為に割付け、1日3回8週間経口投与した際の有効性と安全性を検討したプラセボ対照二重盲検比較試験です。

同試験の結果、主要評価項目であるメイヨースコア(Mayo score)※を用いた投与8週時の改善率において、プラセボ投与群に対するAJM300投与群の優越性が示されたそうです。また、粘膜寛解率など複数の副次評価項目も、統計学的に有意な改善が認められたとしています。なお、AJM300投与群の有害事象発現率はプラセボ投与群と同程度で、AJM300投与群で観察された主な有害事象は、上咽頭炎、頭痛、悪心などでした。

両社はニュースリリースにて、「EAファーマとキッセイ薬品は、潰瘍性大腸炎治療の選択肢を広げ、患者様とそのご家族のQOL(生活の質)向上に、より一層貢献できるよう努めてまいります」と述べています。

※Mayo score(メイヨースコア)とは
潰瘍性大腸炎(UC)の活動性を評価するための指標。近年、臨床試験において標準的に使用されている。排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見および医師による全般的評価という4項目のサブスコアがある。各スコアの範囲は4段階の0~3点で、その合計で評価する。3~5点であれば軽度、6~10点であれば中等度、11~12点であれば重度と評価される。

出典元
EAファーマ株式会社 ニュースリリース

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