免疫性血小板減少症(ITP)の新たな分類と検査法を発見
大阪大学の研究グループは4月3日、中外製薬株式会社との共同研究により、免疫性血小板減少症(ITP)において補体活性化が関与する一群を世界で初めて見出し、それを実臨床で簡便に検出できる可能性がある検査法を明らかにしたと発表しました。
免疫性血小板減少症(指定難病63、ITP)は、免疫システムが誤作動し、自分自身の血小板を攻撃してしまう自己免疫疾患です。血小板が減少することで出血しやすくなります。これまでステロイドなどの治療が行われてきましたが、効果が十分に得られない難治性の症例が一定数存在し、血小板減少のメカニズムの解明と治療法の開発が課題となっていました。
今回、研究グループは、免疫性血小板減少症(ITP)患者さん40名の血液を用いて、血小板の表面に結合した補体の成分などを分析。補体とは、病原体に対する生体防御機構のひとつです。分析の結果、血小板への補体成分の沈着パターンにより、患者さんを3つのグループに分類できることがわかりました。特に補体の活性化が進行しているグループでは、第一選択薬であるステロイドが無効となる例が多く認められました。さらに、このグループでは作られたばかりの未熟な血小板である幼若血小板の割合が増加していることが判明しました。幼若血小板の割合は自動血球分析装置で簡便かつ迅速に測定できるため、補体の活性化に伴う血小板破壊の進行が関与している患者さんを選別できる可能性が示されました。

以上の研究成果により、免疫性血小板減少症(ITP)患者さんの中で補体活性化が関与する一群が存在し、治療抵抗性と関連している可能性があること、また幼若血小板比率測定という非常に簡便な方法でそのような患者さんを選別できる可能性があることが示されました。今回の研究は、難治性の免疫性血小板減少症(ITP)に対してより良い治療を選択する一助となることが見込まれます。
なお、同研究の成果は、学術雑誌「Blood」オンライン版に3月31日付で掲載されました。
