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バイオジェン・ジャパンが脊髄性筋萎縮症(SMA)のWeb市民公開講座を開催

バイオジェン・ジャパンは2020年7月27日に「Web市民公開講座~脊髄性筋萎縮症 (SMA) とともに~」をオンラインで開催しました。国立病院機構八雲病院診療部長の石川悠加先生、理学療法室長の三浦利彦先生、作業療法士の田中栄一先生より、SMAの病態や患者ケアに関する講演に加え、参加した一般の方と質疑応答も交わされました。

■医師の立場から
「脊髄性筋萎縮症(SMA)の呼吸ケアと感染症対策」
演者:石川悠加先生:国立病院機構八雲病院 診療部長

SMAは小児から発症がみられる神経筋疾患で、運動ニューロンが障害を受ける疾患です。四肢の筋力だけでなく呼吸器の筋力や嚥下機能も低下するため、風邪などの感染症でも非常に悪化しやすいことが知られています。特に昨今では新型コロナウイルス感染症が流行しており、呼吸器ケアはより注目を集めています。SMA2型および3型の患者では寝た体制になると咳をする力が弱まるため、風邪などで寝込んでしまうと一気に機能が落ちるので注意が必要です。SMAの呼吸ケアにおける新型コロナウイルス感染症拡大対策のハンドアウト資料が、国立病院を中心に配布され始めています。徐々に整備が進んでいるガイドラインやハンドアウトをもとに、患者一人一人に合わせたオーダーメイドの医療が可能になりつつあります。

■理学療法士の立場から
「自宅でできる呼吸のリハビリテーション」
演者:三浦利彦 先生:国立病院機構八雲病院 理学療法室長

SMAの患者にとって普段から一人一人に合わせた呼吸リハビリテーションが必要です。呼吸不全や窒息を回避し、医療的ケアの軽減や生活の質(QOL)の維持に努めましょう。日々の生活の中に、呼吸を意識させるような動きを取り入れるのも良いでしょう。例えばラッパなどの息を吹く楽器、ふうせん、吹き矢などです。咳を強く吐けるようになる運動を紹介します。①タイミング:子どもと一緒に数字を数えながら咳をする練習をしましょう。②手を置く、胸を押す場所:息を吸ったときに胸が一番動く場所に手を置いてください。③押す方向:息を吐いたときに胸が動く方向(体の下側)に向かって押してください。小さなお子さんや寝かせるのを嫌がるお子さんは、後ろから抱えるように抱っこしても大丈夫です。

■作業療法士の立場から
「学びと遊びをもっと楽しもう~withコロナに備えて、ICTを上手に活用しよう~」
演者:田中栄一 先生:国立病院機構八雲病院 作業療法士

新型コロナウイルス感染症の影響により、まだまだ自由に外出できない状況が続いています。このような状況において、デジタルデバイスを活用して「学び方」「遊び方」「働き方」が変わりつつあります。紙の教科書をめくることが難しかった患者や理科の実験に参加できなかった患者もデジタルデバイスを活用し、これまで以上に多くの知識を吸収でき、さらに本領を発揮できる可能性がでてきました。デジタルデバイスが高額であることや、一部入手が困難なものもあること等の課題はまだ残っていますが、ICT(情報通信技術)を上手く活用し独自の活動を続けられます。

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