1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. 前眼部形成異常などの視覚難病の遺伝的背景の解明、新たな診断手法の開発

前眼部形成異常などの視覚難病の遺伝的背景の解明、新たな診断手法の開発

国立成育医療研究センターは8月13日、京都府立医科大学、三重大学、浜松医科大学との多機関共同研究によって、これまで不明であった東アジア人集団における前眼部形成異常(Anterior-Segment Dysgenesis:ASD)/無虹彩症(Aniridia)および小眼球症(Microphthalmia)/無眼球症(Anophthalmia)の遺伝的背景の解明と効率的な遺伝子診断手法をの開発したと発表しました。

前眼部形成異常、無虹彩症、小眼球症・無眼球症は、乳幼児期に発症する視覚の難病疾患です。視覚や心身の発達において、生後から2歳までは非常に重要な時期とされています。そのため、生まれつき角膜や虹彩が正常に形成されない前眼部形成異常などの視覚難病を早期に診断し、適切な管理を行うことが求められてきました。しかし、これまでは遺伝的背景に不明な点が多く、診断手法が確立されていませんでした。

今回、研究グループは、国内の111名の患者さんとその家族を対象に、次世代シーケンシングを用いた独自の遺伝子パネル解析を行いました。その結果、前眼部形成異常および無虹彩症では50.0%、小眼球症および無眼球症では37.5%の割合で原因遺伝子を特定することに成功しました。また、これまでに報告のなかった11の新たな変異を特定しました。

今回の研究では、日本における特定の視覚難病の発症に、祖先から受け継いだCYP1B1遺伝子の変異が関与しているという東アジア人独自の特徴が示されました。さらに、原因となる遺伝子の種類によって、重篤な視覚障害を伴う緑内障や、心疾患などの全身合併症を伴う確率が異なることも明らかになりました。

画像はリリースより

開発された遺伝子パネルを用いた効率的な遺伝子診断は、眼科的な管理だけでなく、他科とも連携した適切な小児ケアや全身合併症の管理において臨床上非常に有用であると示されています。

なお、同研究の成果は、「Ophthalmology Science 2026」に掲載されました。

出典
国立成育医療研究センター プレスリリース

関連記事