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過剰な炎症を引き起こす新たな「スイッチ」の仕組みを発見

京都大学、東北大学、愛知県医療療育総合センター、東京薬科大学と横浜市立大学を中心とする国際共同研究チームは8月3日、原因不明の強い炎症を示す患者さんの遺伝子解析と、大規模ゲノムデータベースの網羅的解析を組み合わせることで、パイリンというタンパク質が炎症を引き起こす“スイッチ”をどのように入れるのか、その新たな仕組みを明らかにしたと発表しました。

細菌やウイルスの侵入から体を守る炎症反応ですが、制御機構に生まれつき異常があると、わずかな刺激でも過剰に起こり遺伝性自己炎症性疾患を引き起こします。代表例は、高熱や激しい腹痛を繰り返す家族性地中海熱です。家族性地中海熱(指定難病266)は、遺伝子の変異が原因で全身に周期的な炎症が起きる疾患です。主な症状として、数日でおさまる38℃以上の突発的な発熱と、腹痛・胸痛・関節痛などの強い痛みが繰り返し現れます。

今回、研究チームは、細胞内で集まり炎症を誘導するタンパク質「パイリン」が、「CDC42」という別のタンパク質と直接作用し合うことで炎症スイッチが入ることを発見しました。通常、両者の相互作用は弱いですが、病原体の侵入時や特定の遺伝子変異がある場合には相互作用が異常に強まります。その結果、細胞内でパイリンが集まって集合体を形成し、インフラマソームと呼ばれるタンパク質複合体の形成を促すことで、わずかな刺激でも過剰な炎症が引き起こされる仕組みが解明されました。

画像はリリースより

以上の研究成果により、ゲノムデータベースに登録されているものの、これまで病気との関係がはっきりしていなかったパイリン遺伝子の変異265種類すべてを、機能に基づいて整理した「機能アトラス」が整備されました。これにより、迅速かつ正確な診断や、患者に合わせた精密医療への応用が期待されます。また、CDC42がパイリンの直接の制御因子であることが明らかになったことで、炎症の暴走を抑えるための新たな治療アプローチにつながる可能性も示されました。

なお、同研究の成果は、米国科学誌「Science Immunology」に8月8日付で掲載されました。

出典
東北大学 プレスリリース

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