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血液中の異常タンパク質を分解するゴミ掃除輸送体を発見、AAアミロイドーシスなどの新しい治療への応用に期待

千葉大学は6月8日、血液中に存在するタンパク質であるGPLD1が、指定難病の一つであるAAアミロイドーシスの原因となる異常タンパク質を直接捕らえて分解へと導くスカベンジャーキャリア(ゴミ掃除輸送体)であることを明らかにしたと発表しました。

画像はリリースより

私たちの体内で炎症が起きると、血液中には「血清アミロイドA1(SAA1)」というタンパク質が急激に増加します。本来は生体を防御する役割を持つこのタンパク質ですが、慢性的な炎症によって過剰に蓄積すると異常タンパク質へと変貌します。これが全身の臓器にこびりついて重篤な機能不全を引き起こす病気が、難病に指定されているAAアミロイドーシスです。これまで、細胞の外側に溜まった異常タンパク質を体がどのように認識して片付けているのかという仕組みは大きな謎に包まれていました。

今回、研究グループは、血液中で増えた血清アミロイドA1(SAA1)を分解へ導く因子を特定するため、直接結合するタンパク質を探索しました。その結果、血液中に存在するGPLD1というタンパク質が特異的に結合することを発見しました。独自の解析手法により、GPLD1は細胞外で血清アミロイドA1(SAA1)と複合体を形成したあと、細胞内へと取り込まれ、不要になったタンパク質を処理する細胞内の小器官であるリソソームへと運ばれて分解を促進する役割を担うことが突き止められました。これまでGPLD1は細胞表面のタンパク質をつなぐ紐を切断する酵素として知られており、今回の発見は全く新しい機能となります。

また、同研究グループは過去の研究で別のゴミ掃除輸送体の存在も明らかにしてきましたが、血清アミロイドA1(SAA1)はGPLD1のみによって分解されることが判明しました。一方で、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβは別の輸送体であるClusterinによってのみ分解され、GPLD1は関与しないことも明らかになっています。

研究者はプレスリリースにて、「これまで発見したClusterinやα2-マクログロブリンに続き、本研究によってGPLD1が第三の『血液内のゴミ掃除輸送体』であり、特にSAA1を標的として分解へ導く重要な役割を担っていることが判明しました。細胞外の『タンパク質のゴミ』と一口に言っても、その種類や性質は千差万別です。今回のように、体内をきれいにする仕組みを一つずつ解明していくことで、疾患の原因となる特定の異常タンパク質のみを選択的に除去し、副作用の少ない新しい治療法の確立に貢献したいと考えています」と述べています。

なお、同研究の成果は、米国科学誌「Life Science Alliance」に6月5日付で掲載されました。

出典
千葉大学 プレスリリース

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