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【欧州】イブジラストの進行型多発性硬化症(進行型MS)に伴う黄斑損傷を適応とする特許を承認

メディシノバ社は8月16日、MN-166(イブジラスト)による進行型多発性硬化症(進行型MS)に伴う黄斑損傷を適応として出願中の特許に対して、欧州特許庁から承認通知を受領したと発表しました。

多発性硬化症は、免疫細胞が脳や脊髄、視神経に繰り返し炎症を起こすことにより、神経組織を障害する自己免疫疾患です。症状は患者さんによってさまざまで、視力障害、運動麻痺、感覚障害など多彩です。全世界に約230万人の多発性硬化症の患者さんがいるといわれ、そのうちのほとんどの患者さんは時間の経過とともに、寛解期が無いかまたは非常に稀で、健康状態が徐々に悪化する二次進行型多発性硬化症へ進行します。さらに、約15%の患者さんは発病時に一次進行型と診断され、再発や寛解を経ることなく、歩行、視覚、知力など身体機能の障害症状が進行し続けます。

イブジラストは、前臨床研究および臨床研究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されているファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分子化合物です。

今回の特許承認は、イブジラストによる眼科領域での神経変性疾患・神経障害・神経損傷の治療法に対するもので、特に進行型多発性硬化症に伴う黄斑損傷の治療を対象としています。具体的には、イブジラストの投与により、進行型多発性硬化症(一次性、二次性の双方を含む)に伴う、黄斑部網膜内層厚の減少を抑制する治療法をカバーしています。剤型としては、錠剤、カプセル、顆粒、細粒および液体の経口投与を対象とし、イブジラストの投与量と投与頻度を幅広くカバーしています。なお、特許期間は少なくとも2039年10月までをカバーするといいます。

メディシノバ社取締役兼CMOの松田和子氏は「MN-166の眼科神経変性疾患・神経障害に対する治療効果の可能性は、過去に緑内障動物モデル試験及び網膜損傷モデル試験での良好なデータにより実証されていました。また、MN-166の進行性多発性硬化症を対象としたSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験におけるOCT(Optical Coherence Tomography;光干渉断層計)の良好な結果をご報告していますが、すべてのOCT測定で、MN-166はプラセボに比べて網膜組織の菲薄化を抑制することが示されています。既に同様の特許が米国にて承認されておりますが、今回新たに欧州でも本特許が承認されたことにより、MN-166の潜在的な価値を更に高めることができると考えており、本特許が承認されたことを非常に嬉しく思います」と述べています。

出典
メディシノバ社 プレスリリース

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