【米】JAK阻害薬ウパダシチニブ、多関節型若年性特発性関節炎および乾癬性関節炎の2歳以上の患者さんに対する適応を取得
米アッヴィ社は6月4日、1種類以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬に対して効果不十分または不耐容であった多関節型若年性特発性関節炎(pJIA)および乾癬性関節炎(PsA)の 2歳以上の患者さんに対し、ウパダシチニブが米国内において適応追加承認を取得したと発表しました。また、これらの小児患者さんには、新たに体重に基づき用量設定する同剤の経口内服液の選択肢も追加されました。
若年性特発性関節炎(指定難病107)は、16歳未満の小児および青年で5か所以上の関節炎が少なくとも6週間続くことを特徴とする疾患です。乾癬性関節炎(PsA)型の若年性特発性関節炎は、関節炎および乾癬を伴う皮膚病変の両方を特徴とします。これらの慢性疾患は痛みを伴う消耗性の関節炎であり、未治療のまま放置すると関節の損傷を引き起こす可能性があります。治療は進歩していますが、多くの若年性特発性関節炎の患者さんにとって長期寛解を目指すことは難しく、およそ半数の患者さんが成人期まで継続的な治療を必要とします。
ウパダシチニブは、複数の免疫介在性炎症性疾患を対象に研究が進められているJAK阻害薬です。円形脱毛症、強直性脊椎炎、アトピー性皮膚炎、体軸性脊椎関節炎、クローン病、巨細胞性動脈炎、化膿性汗腺炎、乾癬性関節炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、潰瘍性大腸炎、尋常性白斑といった幅広い疾患で第 III 相試験が進行中です。
アッヴィ社のsenior vice president兼chief medical officer, global therapeuticsである Roopal Thakkar, M.D.はプレスリリースにて、「ウパダシチニブはさまざまなリウマチ性疾患の治療において重要な役割を果たし、成人患者さんの疾患コントロールに貢献してまいりました。今回、当社として最年少の小児患者さんへウパダシチニブの錠剤および内服液を提供できることを大変光栄に思います」と述べています。
また、セントメアリーズ病院のボンセクールリウマチセンターおよびバージニア大学小児病院小児科 成人・小児リウマチ科の Aarat Patel, M.Dは、「pJIAおよびPsAの小児患者さんは、日常の身体的な作業を行うことや日常生活を送ることが著しく制限されてしまう可能性があります。現在の患者さんのニーズを理解し、成人期まで疾患が続く可能性を知ることは、新たな治療選択肢の必要性をより高めます。TNF阻害薬で十分な効果が得られない患者さんに治療選択肢を提供することにより、医療業界、患者さん、そして患者さんのご家族のニーズに応えることができるでしょう」と述べています。