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閉塞性肥大型心筋症(oHCM)治療薬マバカムテン、製造販売承認を申請

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は7月17日、閉塞性肥大型心筋症(oHCM: obstructive hypertrophic cardiomyopathy)の治療薬として、マバカムテンの製造販売承認を申請したと発表しました。

肥大型心筋症(指定難病58)は、他の心疾患や全身性疾患など心室肥大(心室壁厚の増加)を起こす明らかな原因がないにも関わらず、心室が肥大する疾患で、左室流出路閉塞の有無により閉塞性と非閉塞性に大別されます。安静時又は労作時の息切れ、疲労、胸痛、立ちくらみ、失神などの症状が現れますが、患者さんにより症状は異なります。また、労作時に症状を伴う患者さんは運動が制限されるため、身体活動能力が低下していきます。

症状が進行すると、心機能(拡張機能と収縮機能)が低下し、心不全や心房細動を起こすため、血栓塞栓性脳卒中のリスクが上昇します。また、突然死は肥大型心筋症(HCM)関連死の約40%を占め、肥大型心筋症(HCM)の最も重大な死因のひとつとなっています。

マバカムテンは、ミオシンとアクチンのクロスブリッジ(架橋)形成を抑制することで、心筋において収縮力及びアデノシン三リン酸(ATP: adenosine triphosphate)消費(エネルギー消費)を抑制する新規作用機序を有する、心筋ミオシンに対する選択的かつ可逆的な低分子のアロステリック阻害剤です。なお、マバカムテンは「肥大型心筋症(HCM)」を予定される効能又は効果として2023年6月に希少疾病用医薬品に指定されています。

国内での開発計画においては、海外第3相検証試験(MYK-461-005、EXPLORER-HCM)の結果から、閉塞性肥大型心筋症(oHCM)患者さんに対する有効性が検証され、忍容可能な安全性が確認されたことを踏まえ、国内第3相試験(CV027004、HORIZON-HCM)を実施しました。第3相HORIZON-HCM試験は、日本人の閉塞性肥大型心筋症(oHCM)患者さんを対象にマバカムテンの有効性、安全性を評価した非盲検単群試験です。

同試験の主要評価項目である投与30週時の運動負荷後の左室流出路最大圧較差のベースラインからの変化量は、-60.7mmHg(95%信頼区間[CI]: -71.5~-49.9)でした。安全性プロファイルはこれまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。これらのデータは、第88回日本循環器学会学術集会のLate Breakingセッションで発表されました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社研究開発本部長の杉田真氏はプレスリリースにて、「肥大型心筋症は国内で指定難病として位置づけられており、現在のところ、その病態生理を標的とした治療薬は存在しません。マバカムテンが、慢性かつ進行性のこの疾患のアンメットメディカルニーズの解消に貢献できることを期待しています」と述べています。

出典
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 プレスリリース

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