膿疱性乾癬の疾病負荷と治療に関する患者・皮膚科医間の認識ギャップ調査の結果を発表
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は3月3日、日本における膿疱性乾癬(GPP)の疾病負荷と治療に関する患者・皮膚科医間の認識ギャップに関する調査結果を発表しました。
汎発型膿疱性乾癬は、急な発熱や全身の皮膚が赤くなり、膿疱が多発する疾患です。治療せずに放置すると、心不全、腎不全、敗血症や多臓器不全などを引き起こす可能性があり、場合によっては命にかかわることもあります。
今回の調査は、汎発型膿疱性乾癬の確定診断を受けたことのある患者さん46人と膿疱性乾癬患者さんを診察している皮膚科医66人を対象に行われました。その結果、最も辛かった症状として、患者さんの83%が「皮膚症状」と回答したのに対し、皮膚科医が第一に取り除くべきだと考える症状は「全身症状」(58%)であり、双方に認識の違いがありました。
また、膿疱性乾癬の患者さん84%と皮膚科医の83%は「皮膚症状が綺麗になること(「完全に綺麗な皮膚」+「膿疱・紅斑・鱗屑がほぼない」+「膿疱はほぼない」)」を目指していますが、そのなかでも患者さんの56%は「完全に綺麗な皮膚」を目指しているのに対して、皮膚科医は41%と、相違があったとしています。
同調査の研究アドバイザーおよび論文の共著者である帝京大学医学部皮膚科学講座・教授の多田弥生氏は、プレスリリースにて「膿疱性乾癬(GPP)患者さんの治療においては全身症状のコントロールに目が向きますが、改めて結果を見ると、患者さんは特に皮膚症状を気にしているということを再認識しました。医師としては、全身症状の管理を行いながら、治療について患者さんと十分にコミュニケーションをとって、皮膚症状をコントロールしていくことが大切だと考えます。また、疾患や治療の説明にあたっては、繰り返し伝えること、患者さんの理解度を確認しながら治療方針の合意を得ていくことも重要です」と述べています。
なお、今回の研究結果は科学誌「Future Rare Diseases」に2月8日付で掲載されています。