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世の中のために正しいトレーニングを提供したい|山本拓也さん:クローン病(CD)

北海道・小樽市でスポーツトレーナーとして活躍する山本拓也さんは、パーソナルトレーナーとして「personal gym Takku」を開業し、正しいトレーニングの普及に努めています。自身の経験と病気との闘いを乗り越え、地域と全国の健康に貢献する姿勢が、多くの人々に勇気を与えています。

これまでの経緯

  • 2020年4月 原因不明の腹痛と微熱が1ヶ月間続く。消化器内科を受診し整腸剤を処方される。
  • 2020年5月 腹痛と発熱が悪化し、再度消化器内科受診し精密検査を行った結果、クローン病(CD)と診断される
  • 2022年1月 直腸に瘻孔が発生。
  • 2022年7月 瘻孔を塞ぐ手術をする。
  • 2022年9月 2度目の塞ぐ手術を行い、瘻孔完治。
  • 2025年2月 症状は寛解。

病気の詳細

私が患っているクローン病(CD)は、胃や腸などの消化管に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患です。

体は食べ物を異物とみなし、過剰な免疫反応で腸壁を傷つけてしまいます。

この炎症は治療をしない限り、繰り返し腸を傷つけ、時間の経過とともに症状が進行します。

治療法としては、免疫抑制剤やレミケードといった薬剤を用いて、免疫の暴走を抑えることが必要となります。

私の場合、治療開始以降は体調が安定し、日常生活における大きな制限もなくなりましたが、油ものや食べ過ぎによって再び症状が悪化するリスクは常に意識しています。

病気での生活の具体例

私はクローン病(CD)発症当初、大学生の頃に41度近い熱と激しい腹痛に襲われ、一歩も動けないほど苦しんだ経験があります。

病院のベッドが空いておらず、入院が叶わなかったため、急遽自宅でステロイドを用いた療養生活を余儀なくされました。

その時は本当に何もできず、ただただ痛みと戦う日々が続きました。

しかし、免疫抑制剤とレミケードの治療を始めてからは、徐々に体調が回復し、今では普段の生活を支障なく送ることができるようになりました。

もちろん、他の方と比べると体調管理には厳重な注意が必要ですが、食生活の改善や定期的な検診のおかげで、私自身は日々の生活を楽しむ余裕が生まれました。

また、クローン病(CD)と診断されたことで、同じ病気を抱える仲間と情報交換する大切さも実感しています。

インターネット上にクローン病(CD)のコミュニティを立ち上げ、同じ境遇の方々と励まし合いながら、治療法や生活改善の情報を共有することで、自分自身の健康管理にも役立っています。

病気の症状が安定している今、健康な生活を送れるようになった自分を実感すると同時に、同じ病気で苦しむ人たちにも希望を届けたいと強く思うようになりました。

仕事の様子

私は、開業する前は会社員をしながら、スポーツトレーナーとして働いていましたが、その中で「怪我をしないトレーニングを広める」ことの重要性を痛感しました。

大学で理学療法を学び、大学院でアスレティックトレーナーとして専門知識を深めた経験があり、その知識と経験をもとに、より科学的な根拠に基づいたトレーニング方法を提供することに情熱を注いでいます。

実際に、私が運営する「personal gym Takku」では、自らもトレーニングを実践し、その効果を実感しながら、利用者の安全と健康を最優先に考えたプログラムを作成しています。

トレーニング中に怪我をしてしまうお客様の現状を目の当たりにして、指導方法の改善に取り組む日々は決して楽なものではありません。

しかし、理学療法士としての知識や、アスレティックトレーナーとしての実践経験を生かし、根拠あるトレーニングで成果を出すことができると自負しています。

これにより、私のジムは地域だけでなく、全国のお客様に支持されるようになりました。

また、仕事を通じて感じるのは、ただ単にトレーニング方法を伝えるだけでなく、利用者の体の状態や生活環境に合わせた個別のサポートが必要であるということです。

私は、利用者一人ひとりの体調や目標に合わせ、無理なく持続可能なトレーニングプログラムを提供することで、怪我のリスクを最小限に抑えながら健康な体づくりを支援しています。

今後の目標

私の今後の目標は、パーソナルトレーナーとしての実力をさらに向上させ、小樽市をはじめとする地域全体の活性化に寄与することです。

小樽市は私にとって大変愛着のある場所であり、地域のイベントや市制施行100周年などの記念行事にも積極的に参加し、地元の魅力を発信する役割を担いたいと考えています。

昨年の小樽市のイベントは大変盛り上がり、私自身もその一翼を担えたことに大きな喜びを感じました。

さらに、私はオンラインを活用して、より多くの方に正しいトレーニング情報を届ける仕組みを作りたいと思っています。

インターネットを通じて、地域を超えた情報発信や相談ができる環境を整えることで、トレーニングに関する疑問や不安を解消し、多くの人々が健康的な生活を送る手助けができればと考えています。

将来的には、私のトレーニングを全国から受けに来ていただけるような、信頼されるパーソナルトレーナーになることを目指し、日々の努力を続けていく所存です。

同じ病気の方や境遇の方へのメッセージ

クローン病(CD)を患っている方は、筋トレとの相性が悪いと言われることもありますが、私は治療とトレーニングを両立する方法を見つけ、日々の健康維持に努めています。

正直、初めの頃は寝たきりになるほどの激しい痛みと戦い、体調の不安定さに苦しんだこともありました。

しかし、適切な治療と自分に合ったトレーニングで、今では日常生活に大きな支障もなく活動できるようになりました。

私自身の経験から、病気を理由に夢や目標を諦めず、前向きに挑戦し続けることがどれほど大切かを痛感しています。

もし体調が悪化してしまう時期があったとしても、自分に合った方法を見つけながら、無理をせずに前進してほしいと心から願っています。

病気は決して私たちの可能性を奪うものではなく、むしろ逆境を乗り越えることで新たな可能性が広がると信じています。

皆さんも、困難に直面しても諦めず、日々の努力を重ねながら自分の夢を追い続けてください。

さいごに

私は、クローン病(CD)という厳しい病気と向き合いながらも、正しいトレーニングを通じて多くの人々の健康を支えたいという強い想いを抱いています。

病気のために辛い時期もありましたが、その経験が私自身を成長させ、同じ境遇の方々に希望と勇気を与える力となっていると感じています。

これからも、スポーツトレーナーとしての知識と経験を活かし、地域社会と全国の健康促進に貢献するべく、努力を続けていきたいと思います。

病気を持ちながらも自分の夢を追い続ける私の姿が、誰かの背中を押すきっかけになれば幸いです。

personal gym Takkuホームページ:https://www.personal-gym-takku.com/
山本拓也さんInstagramアカウント:@takkuss4

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