【調査結果公開】製薬会社の医薬品開発における取り組みに関するアンケート
作成者:3Hクリニカルトライアル(株)インサイトリサーチグループ
アンケート参加のお礼
本アンケートは全体で201名の患者さんにご協力いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
アンケートの概要
本アンケートは18歳以上で、「治験」をご存じのがん患者さん・希少疾患/難病患者さん・中枢神経系領域の疾患をお持ちの患者さんを対象に、PC/PPI活動*の評価・参加意向をお伺いし、またご回答いただいた方のうち治験参加経験者の方には参加した治験の印象等を伺いました。
*PC/PPI活動:PC(患者中心:Patient Centricity)やPPI(患者・市民参画:Patient and Public Involvement)といった、患者さんの声を医薬品開発に取り入れる取り組み・活動のこと。
アンケート結果のまとめ(がん患者さん、希少疾患・難病患者さんの回答結果を抜粋)
アンケートにご回答いただいた方の人数
このアンケートでは、全体で201名の方にご回答いただきました(がん患者さん90名・希少疾患・難病患者さん16名、中枢神経系領域の疾患をお持ちの患者さん104名(重複あり))。
ここでは、 計106名のがん患者さん、希少疾患・難病患者さんの回答結果を抜粋してお伝えします。
アンケート結果のポイント
~PC/PPI活動関連~
- ・PC/PPI活動への評価は「よい取り組みだと思う(TOP2計)」が100%と、好評であった
- ・PC/PPIの具体的な活動*ついては、いずれの活動も95%以上が「意義がある(TOP2計)」と回答
*具体的な活動とは?
・製薬会社・医師・患者など異なる立場の人が参加するワークショップや講演会
・治験の満足度調査(参加した(している)治験に関してご意見を伺うアンケートやインタビュー)
・治験の同意説明文書に関する意見聴取(わかりにくい点や内容へのヒアリング)
・治験実施計画書に関する意見聴取(わかりにくい点や内容へのヒアリング)
・研究方針や製剤に関する意見聴取(ご要望やご意見のヒアリング)
- ・PC/PPI活動の「参加経験あり」は1割未満、 「活動に参加したことはないが、聞いたことはある」(54%) 、「参加経験あり」とあわせても認知率は6割強に留まる
- ・製薬企業に意見を伝える機会があれば「参加したい(TOP2計)」との回答は9割を超えている
~治験関連~
- ・参加した治験を知った情報源は「主治医」が57%、次いで「治験紹介サイト」が29%(n<30(回答数が30以下)のため参考値)
- ・自分が参加した治験の結果については88%が「知りたい」と回答。参加した治験の領域別で見ると、がん/希少疾患・難病領域の治験参加者の方全員が「知りたい」と回答(n<30のため参考値)
- ・一方で結果を知る機会があったかについては「知る機会があった」は3割弱に留まり(n<30のため参考値)、希望と実態でGAPが確認された
- ・TYL(Thank You Letter)を「必要だと思う/もらえると嬉しい」との回答が85%。受け取った経験については「受け取ったことがある」方はいなかった(n<30のため参考値)。ここでも希望と実態のGAPが明らかになった
- ・TYLの印象については「薬剤の開発に貢献できていると感じられる」が最も多く69%、次いで「丁寧な印象を受ける」が54%
- ・治験関連書類の読みやすさ・わかりやすさに関しては「問題ない」との回答がいずれも6割程度、一方で「読みづらい・わかりにくい」との回答も2~4割(n<30のため参考値)。治験領域別で見るとがんの治験参加者では、ICFを「読みにくい・分かりづらい」と回答した割合が他の領域と比較して相対的に高い。治験に対する同意の意義を考えると今後の検討が必要だと言える
- ・通院の回数/頻度、検査・採血の回数/頻度、検査・採血時の痛みや辛さについては、5~7割の方が「特に負担・不便を感じなかった」と回答。「とても負担・不便に感じた」との回答は1割未満(n<30のため参考値)
- ・治験の内容に関して、医療従事者やCRCへの相談有無は「ある」67%、「ない」33%と、全体のアンケート結果と比べるとがん/希少疾患・難病患者さんでは医療従事者やCRCへの相談割合が高い結果となった(n<30のため参考値)
アンケート結果の解釈と今後について
- ・PC/PPI活動自体は皆さんから高評価を得てはいるものの、参加経験のある方は1割程度、認知度も6割程度とまだ低いと言えます。
- ・治験に関しては、「結果を教えて欲しい!TYLもあるといい!」という皆さんの理想と、結果通知ができていない、TYLが活用できていないといった現実とのGAPが明らかになりました。
また、よりわかりやすい同意説明文書の作成、患者さんの負担がより少ない治験の実施等、検討課題はまだあると言える状況です。
- ・PC/PPI活動は皆さんの“声”を治験に活かす重要な活動であり、今後も積極的に行われていく活動になります。皆さんもぜひ参加する機会があればご参加いただき、病気や治験に対する想いを伺わせていただければと思います。
関連リンク:3Hメディソリューション株式会社 プレスリリース