【ドラベ症候群】ブコラム承認へ大きな一歩
みなさんこんにちは。RareS.(レアズ)の熊谷です。
普段はコンタクトセンター(コールセンター)にて、お電話やメールのお問い合わせ対応をしております。もしかしたら、この記事をお読みの方の中にも以前お問い合わせいただいた方がいらっしゃるかもしれません。
本日は、以前RareS.(レアズ)のFacebook等でご紹介したあるブログと、“ドラベ症候群”や小児てんかんの治験に関する署名運動についてお伝えいたします。
・ドラベ症候群って?
ドラベ症候群は乳児重症ミオクロニーてんかん(SEMI)とも呼ばれ、多くの場合1歳未満で発症します。けいれんを伴うてんかん発作、精神障害や知的障害、運動障害などがみられる疾患で、指定難病にも指定されています。入浴や発熱による体温上昇で発作が誘発されやすくなると言われています。日本には3000人程度の患者さんがいるとされています。
・きっかけはSNS
私が今回の署名運動について知ったのは、Twitterでのあるツイートを見たのがきっかけでした。 このツイートにリンクされているブログ記事には、友人の子どもが「ドラベ症候群」という難病をもって生まれてきたという著者の素直な気持ちが、優しいタッチの漫画と共に綴られていました。
ドラベ症候群はてんかん発作が起こると薬を使うまで発作が続くのですが、この薬は現在、医療機関でしか使えません。そのため、発作が起きてから薬を投与するまでの時間をいかに短縮するかによって後遺症にも大きくかかわります。なにより、発作が起きた我が子が病院に運ばれて薬を投与するまで見ているしかできない親御様のお気持ちは想像するに余りあります。
・薬を家庭でも使えるようになってほしい
ドラベ症候群のてんかん発作に有効な薬はありますが、医療機関でしか使えません。これを家庭でも使えるようにした薬が海外では承認され、実際に使われています。しかし、日本では承認されておらず使うことができません。この薬の治験は日本でも行われているのですが、なかなか症例数の登録が進んでいません。そこで治験の条件緩和を求めて署名活動が行われていると、ブログ中で紹介されていました。
難病や希少疾患の分野は、個々の疾患に対する知名度が低いという問題があります。我々も何かお手伝いできることはないかと思い、すぐにブログの著者へご連絡を試みました。突然の連絡にも関わらずブログ掲載の許可と、 ブコラム治験の電子署名キャンペーンの署名発起人である貞本様のご紹介をいただきました。
・電子署名キャンペーンについて
子どもたちをけいれん発作の苦しみから救ってあげたい。海外では普通に使われている薬を使ってけいれん発作を止めてあげたい。 これ以上けいれん重積で幼い命が亡くなることのない世の中にしたい。ただそれだけなのです。どうか皆様のお力で子どもたちを救って下さい。お願いいたします。
署名キャンペーンページより
私は早速、ご紹介いただいた貞本様にご連絡いたしました。貞本様も、突然ご連絡を差し上げたにも関わらず快く応じてくださり、実際にお話する機会をいただきました。ドラベ症候群についてのことや、治験がなぜ進みにくいかなど、様々なお話をお伺いすることができました。難病や希少疾患の情報を発信している私たちにも、メディアとして何かお手伝いできればとお伝えしました。
・承認への大きな一歩
そんな中、先日貞本様より署名キャンペーンについて進捗があったとご連絡をいただきました。署名活動で求めていた”治験の条件緩和”が認められたため、署名活動を一旦終了するというお報せでした。治験実施施設を増加する、年齢区分をなくす、治験実施の時間制限をなくす、という変更が認められたとのことです。これにより、治験登録症例がこれまでよりも増えることが期待できます。薬の承認に向けて大きな前進です。これまで患者会、家族会の皆様がご活動されてきた結果だと思います。署名活動にご協力くださった方々もありがとうございました。1日でも早く子ども達、そしてご家族に薬が届くことを願っています。
毎年6月23日はドラベ症候群の日です。あまり聞きなじみのない疾患名かも知れませんが、ドラベ症候群について学んでみようと思っていただくきっかけになれば幸いです。