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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断と進行予測に新展開、個別化医療へ期待

名古屋大学の研究グループは10月22日、アルツハイマー病に関連する脳脊髄液中のタンパク質が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の診断や予後評価にも重要な情報をもたらす可能性を示したと発表しました。同研究はルンド大学、ボローニャ大学、愛知医科大学 内科学講座、同大学 ALS治療研究開発部門との共同研究として実施されました。

筋萎縮性側索硬化症(ALS、指定難病2)は、手足の筋肉や呼吸に必要な筋肉などが徐々にやせて力がなくなっていく疾患です。早期診断の難しさや進行スピードの個人差が大きいことが課題となっています。これまで神経損傷を反映するニューロフィラメント軽鎖(NfL)が活用されてきましたが、他の神経疾患でも増加するため、単独で診断したり経過を十分に説明したりすることには限界がありました。

今回、研究グループが日本の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さん264人と他の神経疾患の患者さん164人の脳脊髄液を調べたところ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんの約14%でアルツハイマー病に特徴的なアミロイドβ病理を示唆する所見が認められました。この所見がある患者さんでは、NfLが高値であるほど運動機能低下の速さや生存期間の短さとの関連がより強くみられ、イタリアの患者集団でも、生存期間に関して同様の傾向が確認されました。

画像はリリースより

また、アミロイドβ関連指標を含む複数のバイオマーカーを機械学習で組み合わせることで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と他の疾患を正確に見分ける精度が向上しました。まずNfLの値で評価し、判断が難しい中間的な値の患者さんにのみ詳しい追加検査を行う「二段階アプローチ」の有用性も示されています。

画像はリリースより

以上の研究成果により、患者さん一人ひとりの病態に応じた「個別化医療」や適切な臨床試験の設計・評価につながることが期待されます。

名古屋大学はプレスリリースにて、「今後は、他の神経変性疾患に関連するマーカーに加え、多数の分子を網羅的に調べるオミックス解析や脳画像の情報も統合し、ALS の進行の個人差への理解を深めるとともに、他の医療機関でも診断・進行予測への有用性を検討していきます」と述べています。

なお、同研究の成果は、国際医学誌「eBioMedicine」に掲載されました。

出典
名古屋大学 プレスリリース

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