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進行性核上性麻痺(PSP)の新たな分子病態を解明、ドパミン神経系やRNA制御の異常が明らかに

名古屋大学の研究グループは10月20日、愛知医科大学との共同研究により、進行性核上性麻痺の新たな分子病態を明らかにしたと発表しました。

進行性核上性麻痺(PSP、指定難病5)は、脳内にタウ蛋白が異常に蓄積し、歩行障害や転倒、認知機能障害などを引き起こす疾患です。ドパミンを補充する薬の効果は限定的で、現在、根本的な治療法は確立されていありません。

研究グループはこれまでに、細胞の骨格を支えるタンパク質「フィラミンA」がタウ蛋白の異常凝集を促進することを発見していました。今回、フィラミンAを過剰に発現させたマウスを用いたマルチオミクス解析などを実施し、フィラミンAの増加によって神経活動に関わるAP-1関連遺伝子群の活性化やクロマチンの開閉状態の変化が生じることを突き止めました。さらに、脳内のドパミンやその代謝産物が減少することに加え、運動や認知機能に関係するドパミンD2受容体が若齢期に増加した後に加齢に伴って減少に転じ、運動機能や物体認識能力、社会的行動の低下が引き起こされることを明らかにしました。

画像はリリースより

また、患者さんの剖検脳を解析したところ、マウスと同様にドパミンD2受容体の減少や転写制御の異常が確認されました。さらにロングリードRNAシーケンシング技術などを用いた解析により、通常とは異なる構造を持つRNAやスプライシングが不完全なRNAが増加している実態も判明しました。

画像はリリースより

以上の研究成果により、フィラミンAに関連する異常が遺伝子発現やRNA制御、ドパミン神経系の機能障害につながることが示されました。今回の成果は、「タウ蛋白の蓄積」を中心としていたこれまでの病気の捉え方を大きく広げるものです。

なお、同研究の成果は、英国の神経学専門誌「Brain」に10⽉19⽇午前10時に掲載されました。

出典
名古屋大学 プレスリリース

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