中條・西村症候群の病態を再現する新規モデルマウスを樹立
和歌山県立医科大学、長崎大学、東京大学、兵庫医科大学の研究グループは6月3日、中條・西村症候群の病態を再現する新しいモデルマウスを樹立したと発表しました。
中條・西村症候群(指定難病268)は、周期的に起こる発熱や凍瘡様紅斑、進行性の脂肪萎縮および筋肉の萎縮などを引き起こす炎症性疾患です。生体が恒常性を維持するためには、不要になったり合成がうまくいかなかったりしたタンパク質が適切に分解される必要があります。この病気は、タンパク質の分解処理に関わるプロテアソームという複合体を構成する遺伝子に変化が生じ、プロテアソームの機能が不全になることが原因で起こります。しかし、原因遺伝子の発見から15年が経過しても詳しい病態は明らかになっておらず、治療法も確立されていませんでした。
今回、研究グループは、日本の中條・西村症候群患者さん全員にみられる特定の遺伝子変化と同じ変化を持つ遺伝子改変マウスを作成し、解析を行いました。その結果、このマウスは遺伝子変化を持たないマウスに比べて短命であることが判明しました。

さらに、高齢になると脂肪組織の炎症と減少を伴って体重増加の不良や、血液中の炎症を引き起こすサイトカインと呼ばれる物質が上昇することなど、実際の患者さんに認められる変化が再現されていることが確認されました。また、免疫学的な解析において、脾臓における特定のT細胞の割合の低下や状態の変化も認められています。


中條・西村症候群は患者数が少ない希少疾患であるため、これまでは病態の詳しい解析が困難でしたが、今回樹立されたモデルマウスを用いて解析を進めることで、病態のメカニズム解明がさらに進むとともに、新たな治療薬の有効性や安全性を評価し、新治療法を開発するための重要な動物モデルになるとしています。今後のさらなる研究の発展が期待されます。
なお、同研究の成果は、「Scientific Reports」オンライン版に5月28日付で掲載されました。
