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CADASILの新薬創成を目指した「CADASIL創薬研究部」が国循に設立

国⽴循環器病研究センターと株式会社ファーマフーズは2月12日、CADASILの新薬創成を目指した「CADASIL創薬研究部」を共同設立したと発表しました。

CADASILは、NOTCH3遺伝子の病的バリアント(病気の発症に関連する遺伝子の変化)が原因により、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式で発症し、大脳白質病変を特徴とする遺伝性の疾患です。日本国内の患者数は1,200人ほどと推定されています。

典型的には20〜30歳頃に片頭痛を、30〜40歳頃に脳卒中 (脳梗塞や脳出血) を、40〜50歳頃に認知症を発症し、脳梗塞を繰り返すと60歳前後で寝たきりとなり、65〜70歳前後で死亡することが多いと考えられてきました。しかし、近年の研究の進歩により、上述の経過から外れる、非典型的なCADASIL患者さんが多く存在することが明らかになり、CADASILという疾患概念の再定義も議論されるようになってきました。

画像はリリースより

CADASIL創薬研究部は、CADASILに対する新薬の開発と、新薬開発のための国際研究拠点の構築を目的に設立されました。

国⽴循環器病研究センターには、全国から多くのCADASIL患者さんが通院しているため、この体制を強化し、治験即応コホートの樹立を目指すとしています。

この治験即応コホートは、CADASIL創薬研究部が開発の準備を進めている核酸医薬やアドレノメデュリンなどの臨床応用において活用することを計画していますが、海外でCADASILに対する別の新薬が開発された際には、その薬剤を直ちに日本国内に導入する(日本で治験を行う)ことも可能となるといいます。

プレスリリースでは今後の展望について「CADASIL創薬研究部は、「CADASIL知ってる会」と連携してCADASILの新薬開発をすすめたい、と考えております。CADASIL創薬研究部は、CADASILの患者さんのための研究部です。その視点を忘れず、CADASILの制圧を目指した研究に取り組んでいきたいと考えております」と述べられています。

出典
国⽴循環器病研究センター プレスリリース

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