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【米】IL-23阻害薬スキリージ、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎成人患者さんに対する適応を取得

米アッヴィ社は6月18日、スキリージ(リサンキズマブ)が、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)より承認されたと発表しました。

潰瘍性大腸炎(指定難病97)は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍が生じることで、直腸出血、腹痛、血性下痢、しぶり腹、便意切迫および便失禁などの症状が現れる炎症性腸疾患です。疾患の経過は患者さんにより異なりますが、外科手術やがん、または死亡を含む合併症の発症に至ることもあります。

スキリージは、インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害薬です。投与については、1200mgを4週間ごとに3回投与する12週間の寛解導入期と、続いて180mgまたは360mgを8週間ごとに投与する維持期があります。

寛解導入期の後、スキリージの投与はオンボディ・インジェクター(OBI)を利用し、自宅で投与することが可能です。オンボディ・インジェクター(OBI)は、患者さんに配慮して設計されたハンズフリーの装置で、体に接着させて使用し、準備が終わった後に約5分間で薬剤の投与が終了します。

米メイヨークリニックの消化器病学および肝臓病学部門のMaxine and Jack Zarrow Family 財団教授Edward V. Loftus Jr. M.D.はプレスリリースにて、「潰瘍性大腸炎患者さんの治療にあたっては、内視鏡的改善だけでなく、早期の臨床的寛解と持続的な臨床的寛解の方に重点を置くことが重要です。今回のスキリージの承認は、そのような治療目標を目指すための重要な一歩です」と述べています。

また、アッヴィ社のsenior vice president 兼 chief medical officer, global therapeutics の Roopal Thakkar, M.D.は、「本日の、スキリージの潰瘍性大腸炎に対する承認は、アッヴィのIBDポートフォリオを拡大し、患者さんの継続的なニーズに応えるという私たちのコミットメントを体現するものです。アッヴィは今後もIBDの症状に悩む患者さんの日常生活と治療のあり方を変えるべく、尽力してまいります」と述べています。

なお、スキリージは今回の承認により、中等症から重症の潰瘍性大腸炎および中等症から重症のクローン病の両疾患に対して承認を得た初のIL-23阻害薬となりました。これにより同剤は、免疫介在性炎症性疾患領域において4つの適応症に対する承認を取得しています。

出典
アッヴィ合同会社 プレスリリース

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