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脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する初の経口薬、国内製造販売承認を申請

中外製薬株式会社は2020年10月15日、脊髄性筋萎縮症(SMA 指定難病 3)に対する治療薬として、SMN2スプライシング修飾剤であるリスジプラムの国内における製造販売承認申請を行いました。今回の承認はⅠ~Ⅲ型のSMAを対象として行われた2本の臨床試験におけるポジティブな結果に基づいています。リスジプラムが示した有効性は、今後のSMA治療へ大きく貢献すると期待されています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)は筋力の低下や筋肉の萎縮を主な症状とする遺伝性の難病です。原因となる遺伝子に対し、父親由来の遺伝子と母親由来の遺伝子が共に変異している場合に発症します。発症時期によってⅠ~Ⅳ型に大別され、それぞれ症状の重症度も異なります。SMAの原因として、運動ニューロン生存(SMN)遺伝子が特定されています。一般的にSMN1遺伝子と、その近傍に存在するSMN2遺伝子の存在が知られており、SMA1遺伝子に対してSMN2は正常な働きができません。SMA患者において機能的なSMNタンパク質はSMN2から産生されるわずかな量しかなく、様々な症状が引き起こされると考えられています。

リスジプラムは中枢神経系および全身のSMNタンパク質レベルを増加させるように設計された、経口投与可能な薬剤として開発が進められています。SMN2遺伝子から機能的なSMNタンパクが生産されるように設計されているSMN2スプライシング修飾剤で、2020年8月にはアメリカで承認を取得しました。今回の承認は、先立って行われたⅠ~Ⅲ型のSMA患者を対象にした2本の臨床試験におけるポジティブな成績に基づいて行われました。また、2019年3月には厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されています。

出典元
中外製薬 ニュースリリース

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