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リスジプラム、乳児のI型脊髄性筋萎縮症において統計学的に有意な改善を示す

ロシュ社は4月28日、I型脊髄性筋萎縮症(SMA 指定難病3)の乳児(1~7カ月)を対象にしたリスジプラムの試験における1年間の成績を発表しました。今回の試験では投与開始後1年で、約3割の患者が支えなしで座位を最低5秒間保てました。自然経過では、支えなしで座位が保てた患者はこれまでに確認されていません。さらに、約44%の患者では首がすわるようになり、約5%の患者では補助ありで立ち上がることもできました。

脊髄性筋萎縮症は、脊椎にある運動神経細胞に病変がみられる筋萎縮性の疾患です。筋肉が萎縮し、筋力の低下等を引き起こします。特にⅠ型は重症とされ、約2万人の出生に対して1人程度の罹患率と推定されています。発症に男女差はなく、Ⅰ型は乳児期すると考えられています。常染色体劣性遺伝の遺伝形式をとり、原因遺伝子であるSMN遺伝子が共に変異している場合に発症します。SMN遺伝子の変異により、十分なSMNタンパク質が作られなくなることで発症すると言われています。

リスジプラムは、SMAの原因と考えられているSMNタンパク質を増加させるように設計された開発中の経口薬です。運動神経の働きや筋肉の動きをサポートするよう、SMN遺伝子から作られるSMNタンパク質の量が増加することが期待されています。日本において2019年3月に希少疾病用医薬品の指定を受けました。今回の試験はI型SMAの乳児(1~7カ月)を対象に行われました。

出典元
中外製薬 ニュースリリース

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