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筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関わる脂質「NAT」を発見、新たな治療薬候補を同定

名古屋大学は8月7日、愛知医科大学と順天堂大学との共同研究で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行に関連する新たな脂質代謝異常を発見するとともに、その代謝経路を標的とした治療薬候補を同定したと発表しました。

筋萎縮性側索硬化症(ALS、指定難病2)は、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせていく疾患です。

今回、研究グループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんの血液を用いた網羅的メタボローム解析を行い、拡張エンドカンナビノイド系に属する脂質代謝物であるN-アシルタウリン(NAT)が、生体の防御反応として病気の進行速度や生存期間と関連していることを発見しました。さらに患者さんのデータに基づく薬剤探索を行った結果、NATを分解する酵素である脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)を阻害する化合物「PF-04457845」が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者由来のiPS細胞から作製した運動ニューロンの変性を抑制することを見出しました。筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスにこの薬を投与する実験でも、運動機能の改善や生存期間の延長が確認されました。

画像はリリースより
画像はリリースより

以上の研究成果により、患者さんの体内における実際の代謝変化を出発点として治療法開発につなげる「リバーストランスレーショナル研究」の有効性が示されました。今後は、NATをALSの病勢評価や治療効果判定に利用できるバイオマーカーとして実用化できるかの検討や、この代謝経路を標的とした新たな治療薬の開発、臨床応用に向けた研究が進められます。

なお、同研究の成果は、米国医学雑誌「JCI Insight」に8月10日付で掲載されました。

出典
名古屋大学 プレスリリース

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