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自然免疫の炎症を終わらせる新たな仕組みを解明

東京科学大学は5月27日、東北大学、慶應義塾大学、京都大学、旭川医科大学、鹿児島大学と共同で、リソソーム膜に存在する脂質PI(3,5)P2がESCRT複合体の構成因子CHMP4Bをリソソーム膜へ呼び込みSTINGのリソソーム内包化を制御すること、およびこのプロセスによりSTING炎症が終息していることを明らかにしたと発表しました。

私たちの体に備わっている自然免疫は、ウイルスなどの異物を認識して炎症を引き起こすことで体を守る生体防御機構です。この反応の中心的な役割を果たすのが、STINGと呼ばれるタンパク質です。STINGは、DNAウイルスの感染やがん細胞からのDNA漏出を感知して炎症を促しますが、過剰に働きすぎると自己炎症性疾患や神経変性疾患の原因となるため、炎症を終わらせる仕組みの解明が重要視されていました。これまで、細胞内の不要物を分解するリソソームがSTINGのシグナルを終わらせることは分かっていましたが、その詳細な仕組みは不明でした。

今回、研究グループは、効率的にSTINGの分解状況を調べることができる手法を用いて、STINGの分解を制御する要因を探索しました。リソソームの膜にあるPI(3,5)P2という脂質が、膜をくびれさせて分断する役割を持つESCRT複合体の構成因子である、 CHMP4Bというタンパク質を呼び寄せます。この働きによって、活性化したSTINGがリソソームの内部に取り込まれて分解され、結果として炎症のシグナルが終了することが証明されました。また、薬剤を用いてこの脂質が作られるのを抑えると、STINGの分解が妨げられ、細胞内に蓄積して炎症が持続することも確認されました。

画像はリリースより

以上の研究成果より、自己炎症性疾患やパーキンソン病などの神経変性疾患の病態の理解が進むとされています。さらに、あえて阻害剤などを用いてSTINGのシグナルを持続させることで、がんに対する免疫の働きを高める新しい治療戦略の開発につながる可能性があります。

なお、同研究の成果は、科学誌「Nature Communications」に5月27日付で掲載されました。

出典
東京科学大学 プレスリリース

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