潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)を対象としたduvakitugの第IIb相試験で主要評価項目を達成
米Teva Pharmaceuticals社は12月17日、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)患者さんを対象とした第IIb相RELIEVE UCCD試験における主要評価項目を達成したと発表しました。
潰瘍性大腸炎(指定難病97、UC)とクローン病(指定難病96、CD)は、消化管の慢性的な炎症によって腹痛や下痢、直腸出血、疲労、体重減少などの持続的な消耗性症状が現れる炎症性腸疾患(IBD)です。現在、炎症性腸疾患(IBD)の完治を目指す治療法はなく、治療は寛解の到達・維持と再燃の予防を目標としています。
RELIEVE UCCD試験は中等症~重症の炎症性腸疾患(IBD)を対象に、TL1A を標的とするヒトIgG1-λ2モノクローナル抗体製剤であるduvakitugを検討した試験です。この試験では、duvakitugを投与した潰瘍性大腸炎(UC)患者さんのうち14週時点で臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、低用量群で36.2%、高用量群で47.8%であったのに対し、プラセボ群では20.45%を示しました。でありまた、プラセボ調整後は、低用量群で15.7%、高用量群で27.4%(それぞれp=0.050、0.003)でした。
duvakitugを投与したクローン病(CD)患者さんのうち第14週時点で内視鏡的奏功を達成したクローン病(CD)患者さんの割合は、低用量群で26.1%、高用量群で47.8%であったのに対し、プラセボ群では13.0%。プラセボ調整後の低用量群は13.0%、高用量群は34.8%(それぞれp=0.058、<0.001)でした。全体の治療効果は、いずれのサブグループでも一貫していました。なお同試験は、クローン病(CD)患者さんを対象に抗TL1Aモノクローナル抗体の影響を検討した初の無作為化プラセボ対照試験とのことです。
duvakitugの忍容性は、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)ともに概ね良好で、安全性に関するシグナルは検出されませんでした。有害事象の発現率は、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)と同程度(50%vs50%)で、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の双方で認められた有害事象の発現率は5%未満でした。
Teva Pharmaceuticals社の親会社である仏サノフィ社エグゼクティブ・バイスプレジデント、研究開発担当ヘッドのHouman Ashrafian氏はプレスリリースにて、「今回の結果は、duvakitugが潰瘍性大腸炎とクローン病の治療の新たなフロンティアとなる可能性を示す内容です。この規模の効果が第Ⅲ相プログラムでも得られれば、必要としている炎症性腸疾患の患者さんにとって、差別化された新たな治療選択肢となりえると信じています。duvakitugのプログラムとこのパートナーシップは、サイエンスを追求し画期的な医薬品を見いだして、開発を速やかに進め、患者さんにお届けするというサノフィの戦略の一環です」と述べています。
なお、duvakitugは現在、臨床開発段階にあり、その有効性と安全性は、いずれの規制当局でも評価/検討されていません。