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IgA腎症を対象としたシベプレンリマブの第3相試験の良好な中間解析結果を発表

大塚製薬株式会社と同社米子会社のOtsuka Pharmaceutical Development&Commercialization, Inc.(OPDC社)は10月22日、IgA腎症を対象としたシベプレンリマブ(一般名)の第3相試験における中間解析結果で、主要評価項目を達成したと発表しました。

IgA腎症(指定難病66)は、腎臓の糸球体に慢性的な炎症が起こり、血尿と蛋白尿が続く進行性の自己免疫性慢性腎臓病です。進行すると、末期腎不全に至る可能性があります。

シベプレンリマブは、IgA腎症の発症と進行に重要な役割を果たすと考えられている免疫細胞増殖因子であるサイトカインAPRIL(A PRoliferation Inducing Ligand)の作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体です。大塚製薬の子会社であるVisterra Inc. (ビステラ社)が創製しました。第2相(ENVISION)試験の良好な結果を受け、IgA腎症を対象に、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を取得しています。

第3相(VISIONARY)試験(NCT05248646)の中間解析では、主要評価項目であるシベプレンリマブ投与9ヵ月後の24時間uPCR(尿蛋白/クレアチニン比)のベースラインからの変化が、プラセボ群と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある減少を示し、主要評価項目を達成したことが明らかになりました。安全性プロファイルは、これまでに報告されたデータと一致していました。

今回の試験は、同疾患における試験では最大となる約530名の成人患者さんを対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験。標準治療(最大耐用量のACE阻害薬またはARBに、必要に応じてSGLT2阻害薬を投与)を受けている成人のIgA腎症患者さんを対象とし、4週間ごとにシベプレンリマブ400mgを皮下投与し、プラセボ群と比較してその有効性と安全性を評価しています。

この第3相試験は、副次評価項目であるeGFR(推算糸球体濾過量)で測定される24ヶ月間の腎機能変化を評価するために継続されており、2026年初頭に終了する予定です。

OPDC社の上級副社長兼医学責任者John Kraus氏はプレスリリースにて、「本試験で得られた良好な中間解析の結果は、APRILを標的とすることで、新規治療に対するアンメットニーズに応え、この進行性腎疾患に苦しむ人々に新たな治療戦略を提供できる可能性があることを示しています。今回は中間解析の結果ですが、試験が完了し、全ての結果が出ることを楽しみにしています。大塚製薬は、IgA腎症の患者さん、その介護者、そして試験に参加し、この重要な研究に貢献してくれた研究者の皆さんに感謝しています」と述べています。

また、ビステラ社CEOのBrian Pereira氏は、「「シベプレンリマブの開発が順調に進んでいることを喜ぶとともに、IgA腎症患者さんに必要とされる根本治療として、疾患修飾薬による新たな治療選択肢になることを期待しています」と述べています。

なお、大塚製薬は今回の良好な中間解析結果に基づき、米国での早期承認申請に向けてFDAと協議を進めるとしています。

出典
大塚製薬株式会社 プレスリリース

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