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【米国】潰瘍性大腸炎に対する象とした選択的IL-23p19阻害薬トレムフィア、第III相試験で早期の症状改善を示す

ヤンセンファーマ株式会社は11月13日、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象とした、選択的IL-23p19阻害剤であるトレムフィア(一般名: グセルクマブ、以下トレムフィア )の有効性と安全性プロファイルを24週まで検証した第III相QUASAR寛解導入試験の新たなデータを発表したと公表しました。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができることにより、軟便、便意切迫、持続的な下痢、腹痛、血便、食欲不振、体重減少、疲労などの症状が現れる炎症性腸疾患の一つです。

QUASAR試験は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象に、トレムフィアを投与した際の有効性と安全性プロファイルをプラセボと比較検証した第III相試験です。同試験では、寛解導入薬としてトレムフィアを投与した結果、投与12週時における臨床的改善を達成した患者さんの割合は、61.5%(259/421人)であり、プラセボ群の27.9%(78/280人)に対して有意に高くなりました。また、トレムフィア投与時12週時に静脈内投与による寛解導入療法に対し臨床的改善を示さず、その後さらに12週間トレムフィアを投与した患者さんの55%が24週時に臨床的改善を達成しました。ベースラインでトレムフィアに無作為化された患者さんのうち77.2%が、12週時または24週時に累積的な臨床的改善を達成しました。

24週時までの安全性に関する所見は、12週時の結果と一致しており、新たな安全性に関するシグナルは認められませんでした。

トレムフィアの単回静脈内投与後1週~12週における早期の臨床的改善及び症状の改善に関しては、トレムフィア群で1週時から患者報告アウトカムの直腸出血および排便回数に基づく臨床的改善および症状の改善が認められ、12週時に3分の2以上の患者さんにおいて、臨床的改善及び症状の改善が確認され、プラセボ群と比較して治療成績の差は明らかでした。

画像はリリースより

同試験の責任著者で、Brigham and Women’s HospitalのCrohn’s and Colitis CenterのメディカルディレクターでもあるJessica R. Allegretti氏は「潰瘍性大腸炎は、日常生活に支障を来すさまざまな症状を引き起こすおそれがある、複雑な免疫介在性疾患です。QUASAR試験の結果は、持続的かつ速やかに作用する治療選択肢としてのトレムフィアの可能性を裏づけるものです」と述べています。

現在、トレムフィアは、炎症性腸疾患に対する治療薬として研究が進められおり、第III相試験が進行中だそうです。トレムフィアは、米国ならびに日本において、潰瘍性大腸炎の治療薬としては未承認です。

出典
ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース

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