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ミトコンドリア病を引き起こす遺伝子を新たに発見

順天堂大学大学院医学研究科 難病の診断と治療研究センターをはじめとする研究チームは、発達遅滞・小頭症・てんかんを伴うミトコンドリア病の新たな原因遺伝子を特定したことを発表しました。日本人の症例より特定された遺伝子はNDUFA8遺伝子と呼ばれる遺伝子で、ミトコンドリアでの呼吸機能に関わっていることが明らかになりました。

背景-ミトコンドリアの働きを制御する複雑な遺伝子

ミトコンドリアは細胞の中に含まれる細胞小器官と呼ばれる構造で、呼吸により酸素から細胞のエネルギー源を生み出す働きがあります。ミトコンドリアに異常が起こり働きが低下すると、それぞれの細胞はエネルギーを活用できずに働きが悪くなります。このように、ミトコンドリアの機能が低下し影響が現れる疾患をまとめてミトコンドリア病と呼びます。ミトコンドリアは、細胞の核に含まれるDNAとは別にミトコンドリアDNAと呼ばれる独自のDNAも持っており、核のDNAとミトコンドリアDNAのどちらの影響も受けることが知られているため、これまでに350を超える原因遺伝子が発見されています。しかし、ミトコンドリア病により引き起こされる症状は様々であり、特定の症状と原因遺伝子が関連付けて解析されることは困難でした。

成果と展望-ミトコンドリア病の症状と遺伝子の関連性解明に向けて

そこで本研究チームは、発達遅滞・小頭症・てんかんを合併するミトコンドリア病の日本人患者に着目し、患者の血液に含まれる遺伝子を網羅的に解析することでNDUFA8遺伝子がミトコンドリア病の原因遺伝子であると新たに特定しました。さらに、NDUFA8遺伝子より作られるNDUFA8タンパク質の働きを解析すると、ミトコンドリア内に存在しミトコンドリアの呼吸機能に重要な複合体を形成していることが明らかになりました。今回の研究結果は、ミトコンドリア病の中でも最も多いとされる、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ活性低下の発生メカニズムにも繋がる結果です。その他のタイプのミトコンドリア病の発生メカニズムの解明も待たれており、ミトコンドリア病の早期診断と治療法の開発が望まれています。

出典元
順天堂大学 プレスリリース

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