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クローン病に伴う複雑痔瘻に対する治療薬アロフィセル、24週後の複合寛解率を達成せず

武田薬品工業株式会社は10月18日、臨床第III相ADMIRE-CD II試験において、クローン病に伴う複雑痔瘻の治療に用いる「アロフィセル注」(一般名:ダルバドストロセル、以下アロフィセル)の有効性および安全性について評価したところ、主要評価項目である24週後の複合寛解率を達成しなかったと発表しました。

クローン病は、炎症性腸疾患の一つで、消化管の粘膜に炎症や潰瘍が起こることにより、下痢や腹痛などの症状が現れます。

アロフィセルは、健康成人の脂肪組織から抽出し、培養・増殖させた同種異系間葉系幹細胞(eASC)の懸濁液で、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な非活動期または軽症の活動期のクローン病成人患者さんにおける複雑痔瘻の治療製品です。アロフィセルの投与前には瘻孔の処置が必要です。日本では既に完了したADMIRE-CD試験および国内で実施されたDarvadstrocel-3002の良好なデータに基づいて製造販売承認を取得した、日本で初めての同種異系脂肪組織由来間葉系幹細胞治療製品です。

今回の臨床第III相ADMIRE-CD II試験のデータ解析から得られた結果は、今後医学学会または学術誌において発表する予定だといいます。また、同試験においてアロフィセルの安全性プロファイルは過去の試験と一致し、安全性に関する新たな所見は認められませんでした。

武田薬品工業株式会社の消化器系・炎症性疾患領域ユニットのヘッドであるChinwe Ukomadu氏は「このたびの結果は残念ではありますが、クローン病に伴う複雑痔瘻のような治療困難な疾患に対する医学研究には依然として多くの課題があると認識しています。ADMIRE-CDⅡ試験からは貴重な科学的知見を得ることができ、この重要な研究を可能にしていただいた患者さんや研究者の方々に感謝しております」と述べています。

現在、約800人のクローン病に伴う複雑痔瘻の患者さんを対象とした安全性および有効性の実臨床観察研究であるアロフィセルのINSPIRE試験が進行中です。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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