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縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)に対するアセノイラミン酸の治療効果を確認

東北大学は11月4日、 遠位型ミオパチー(指定難病30)の一種である 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)に対するアセノイラミン酸による治療効果を臨床試験で明らかにしたと発表しました。

この成果は、同⼤⼤学院医学系研究科 神経内科学分野の青木正志教授らの研究グループによるもので、第40回日本神経治療学会学術集会(2022年11月2日~4日)にて発表されました。

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)は、GNE遺伝子の変異が原因の疾患です。多くは10歳台後半から30歳代にかけて出現し、体幹から離れた部位から筋肉が萎縮、変性し、次第に体の自由が奪われていきます。これまでのところ、有効な治療法は見つかっておらず、日本国内の患者さんは推定約400名といわれています。

今回の研究では、歩行可能な縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)患者さん20名と縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)患者さん14名を対象に試験を実施。

今回発表されたのは、GNEミオパチーを対象とした医師主導第II/III相試験および有効性確認試験の結果です。歩行可能なGNEミオパチー患者さん20名にアセノイラミン酸1日6gを投与した医師主導第II/III相試験において、同剤群ではプラセボ群と比較して48週時点の上肢筋力合計点数の低下(悪化)が抑制されました。また、GNEミオパチー患者さん14名にアセノイラミン酸1日6gを投与した有効性確認試験においても、同剤群ではプラセボ群と比較して48週時点の上肢筋力合計点数の低下(悪化)が抑制されました。

今回の研究により、指定難病であるGNEミオパチー対する治療法が初めて提示されました。なお、同剤については現在、ノーベルファーマ株式会社が薬事承認申請を準備しているといいます。

出典
東北大学 プレスリリース

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