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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の病態形成メカニズムを解明

兵庫医科大学は1月25日、好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎のひとつである好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA、指定難病45)の病態形成メカニズムを解明したと発表しました。

この研究成果は、同大医学部・医学科糖尿病内分泌・免疫内科学の橋本哲平講師ら研究グループによるもので、科学誌「Frontiers in Immunology」に1月12日付で糖尿病内分泌・免疫内科学の橋本哲平講師らの論文が掲載されました。

研究グループは、アレルギー性炎症で重要な好酸球細胞外トラップ(EETs)による細胞死(EETosis)と、そこから細胞外に放出されるDNA断片(cfDNA)に着目。患者さんの血清や病理組織を用いて検討を行った結果、EGPA末梢血には活動期にcfDNAが高濃度に存在し、血栓形成マーカー(D-Dimer)と相関していることや、病理組織においては微小血管内血栓にEETosisをきたした好酸球が充満し、核内からDNAを放出していることを解明しました。また、EETosisはデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)に難溶性であり、これを足場として血小板が凝集し、血栓形成が促進されることも見出したといいます。

今回の成果について研究グループは、「EGPAでは好酸球の活性化と細胞死、これに関連した血栓形成が重要であることを証明したが、これは本疾患において好酸球を標的とした治療が重要であることを示唆している。今後、好酸球の活性化を抑制する新たな治療開発を含め、難治性病態を抑制することが課題となる」と述べています。

出典
兵庫医科大学 最近の主な研究業績

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