IBDに対する認識のギャップ、約800名を対象にした調査で明らかに ~アッヴィがIBDメディアセミナーを開催~
2021年5月11日、アッヴィ合同会社は「炎症性腸疾患(IBD)メディアセミナー」を開催しました。同セミナーでは、IBD患者さんとそうでない方を対象に行った調査の結果が発表され、IBDの認知度や患者さんと一般の人との認識のギャップ等が明らかになりました。
炎症性腸疾患(IBD)は主に20~30歳代の若い人に多い原因不明の腸の炎症を伴う病気であり、潰瘍性大腸炎、クローン病の総称です。IBDは希少疾患の中でも罹患数が多い方ですが、その原因や根本的治療法はまだ明らかになっていません。指定難病全体への理解は広がりつつありますが、IBDの詳細についての理解は、十分とはいえないのが現状です。そこでアッヴィは、16~69歳のIBD患者さん391人と一般の人400人、計791人に対して認知度調査を行いました。
まず、一般の人に「あなたは炎症性腸疾患(IBD)-潰瘍性大腸炎/クローン病を知っていますか」という質問に、約9割(90.8%)が「全く知らない」または「聞いたことはあるが、どんな病気かは全く知らない」と回答。一般の人ではIBD認知度が低いことが分かりました。
次に、IBD患者さんには「IBD による症状の影響で普段の生活の中でどのような困ったことがありますか」と質問、一般の人には「もしあなたが IBD の症状になったとしたら、どれが生活に与える支障が大きいですか」と質問したところ、実際の患者さんは服薬や治療継続に最も困難さを感じていた一方、一般の人は痛みの困難さを選択した人が多いことから、日常生活における困難な事象に関しても認識の違いがあることが分かりました。
患者さんと一般の人に「現在の生活満足度」をたずねた質問では、「非常に良い」または「やや良い」を選んだ人の割合は、一般の人と寛解期の患者さんが約5割弱(46.6~49.5%)いたのに対し、活動期の患者さんでは約3割強(36.6%)に留まりました。このことから、症状が落ち着くことで生活満足度が高くなることが期待されます。
見た目からは症状が分かりづらく、周囲からの理解が得られにくいIBD。当日、IBD患者代表として登壇されたNPO法人IBDネットワークの山田貴代加氏は「この疾患は周囲の理解が必要です。私自身、主治医や周りの仲間に救われたからここまでくることが出来ました」と語っていました。今回の調査によって実際の患者さんの声と一般の人の認知の“ギャップ”が明らかになったことで、患者さんがより過ごしやすい社会の実現に繋がることが期待されます。