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【RareS.企画】間質性肺炎の患者さん対象 アンケート調査結果

 間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症が起こることで線維化し、次第に肺が固くなってゆく病気です。通常の肺炎は高熱や咳、痰などの症状を伴いますが、間質性肺炎ではそのような症状を伴いません。医療機関にかかっている方は10 万人あたり10〜20 人程度と言われていますが、初期の段階では無症状であるため、実際の患者数はもっと多いと考えられています。膠原病の罹患や、アスベストの吸入、抗がん剤などの医薬品などが原因で起こる場合と、原因不明の「特発性間質性肺炎」があります。さらに、風邪やウイルス感染などで急激に悪化する危険性がある病気です。
 今回のアンケートでは既に間質性肺炎の診断がある方を対象に、診断に至るまでの経緯や、現在の生活について伺いました。お答えいただいた皆様のご意見を早期発見や治療、日々の生活の参考にしていただければと思います。

※現在世界的に流行している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴って起こる肺炎も間質性肺炎であるとされていますが、今回のアンケート調査は流行拡大前の2/14~3/18までに行いました。お伺いした間質性肺炎に関する回答は新型コロナウイルス感染症に伴うものではございません。

【結果の要点】
・診断前に空咳などの自覚症状を感じていなかった方が3人/10人いた
・診断された時の状況として、生活に支障をきたすほどの不調を感じて医療機関を受診した際に行われた検査の中で発見されるケースが多くみられた
・日々の生活の工夫では食事に気をつけているという意見が多かった

【アンケート調査内容】
・間質性肺炎患者の治療満足度、生活における疾患による制限やその改善のための工夫について

【実施方法】
・回答方法:Webアンケート
・掲載媒体:難病・希少疾患情報サイトRareS.
・調査期間:2020年2月14日~3月18日
・総回答数:15 / 有効回答数:10

皆様のご協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。

【アンケート結果】

■あなたの年代を教えてください。
・20歳代 … 1人
・30歳代 … 1人
・40歳代 … 3人
・50歳代 … 4人
・70歳代 … 1人

■「間質性肺炎」のタイプを教えてください。他疾患の合併により発症した方は基となった疾患名を教えてください。(複数回答)
単位:人

■診断される前に空咳(痰を伴わない咳)や息切れなどの症状を感じていましたか。
・はい … 7人
・いいえ … 2人
・わからない … 1人

■血液検査で「KL-6」や「SP-D」という間質性肺炎の指標となる数値の測定をしたことはありますか?
・はい … 9人
・いいえ … 0人
・わからない … 1人

■「はい」と回答された方に伺います。その検査は間質性肺炎と診断される以前から行われていましたか?
・はい … 1人
・いいえ … 3人
・わからない … 3人

■間質性肺炎と診断されるまでの経緯を具体的に教えてください。
(一部抜粋)
・もともとSLEとLPIで通院中で、座ってるだけでしんどくなったころ、KL-6が2000超え呼吸器内科を受診。
・喘息のようなひどい咳と息苦しさ。
・突然38℃の発熱が出てインフルエンザ検査陰性で抗生剤投与されたが、40℃超えの高熱が1週間以上続き、血液検査をしたところCRP炎症反応ありで市民病院へ移行、CT胸部で間質性肺炎と診断された。無症状だった為、早期発見と言われた。
・皮膚筋炎の症状に気が付き(倦怠感、夜間の空咳、 発熱等)かかりつけの医院を受診。最初は、リウマチを疑ったが、血液検査の結果が陰性だった。その後、症状とレントゲン検査の結果をみて膠原病と間質性肺炎の疑いありとのことで大学病院の膠原病内科を紹介され、そこで診断が確定される。
・咳と発熱、倦怠感が続き、かかりつけ医でのレントゲンで病名わからず大学病院へ紹介状をもって診察。気管支鏡などの診察の結果、呼吸器内科で特発性間質性肺炎と診断された。

■間質性肺炎のために生活に制限があると感じていますか。
・はい … 5人
・いいえ … 3人
・わからない … 2人

■どのようなことが困難だと感じていますか?(一部抜粋)
・映画を観たり、食器を洗ったり、些細な作業でも、呼吸が浅くしんどいです。
・ハードな運動ができない。ステロイド服用しているので骨折しやすくなった。
・散歩や運動が好きなのに制限があり、楽しめない。
・階段で息があがる。会話を続けると咳がでてくる。

■食事や運動など、普段の生活でご自身で工夫していることがあれば教えてください 。 (一部抜粋)
・階段を昇るの極力さける。
・運動はやりたいが方法がわからない。呼吸リハビリを受けたいが、大学病院の呼吸器内科のドクターから意味がないといわれた。
・なるべくバランスの摂れた食事を気をつけてますがそれではストレスがたまるので好きな物も食べる!
・ステロイドと免疫抑制剤の影響で腎臓がわるくなりつつあるので、塩分とタンパク質は控えるようにしている。
・ステロイドを大量投与していましたので便秘をしますから、野菜や食物繊維を多く食べています。
・副作用で体重増加してしまったので1日2食、夕食抜き 揚げ物をあまり摂らない 魚、野菜を多めに摂取を心掛けてる。

■普段、どのような媒体から疾患に関する情報を得ていますか。 (複数回答)

■現在、お困りなこと、ご自身の疾患に関する研究開発に対しての思いやご意見などございましたらご記入ください。(一部抜粋)
・根本的に、せめてしんどさが減るような治療法はないものか?
・骨粗鬆症や、骨壊死等のステロイドの副作用が、無くなると良いと思います。
・職場でなかなか理解してもらえない。
・同じ病気の人との交流をしたいが近くではいない。
・患者の会があれば悩みや相談ができると思うが、近隣にないので残念。
・間質性肺炎の治験などに参加したいが情報がすくない。

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