EMAはポンペ病に対する酵素補充療法avalglucosidase alfaについて医薬品販売承認申請を受理
サノフィ(パリ)は2020年10月2日(現地時間)、ポンぺ病(酸性αグルコシダーゼ欠損症)に対する酵素補充療法製剤として開発を進めているavalglucosidase alfaについて、欧州医薬品庁(EMA)が医薬品販売承認申請を受理したことを発表しました。承認が得られればavalglucosidase alfaはポンぺ病に対する新たな標準治療となる可能性があります。
ポンぺ病
ポンぺ病はライソゾーム病の一種で、ライソゾームにおける酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の欠損や活性の低下により症状が引き起こされる疾患です。ライソゾームとは細胞内で不要になったタンパク質などを分解するための細胞小器官であり、ライソゾーム内で不要物を分解するための酵素が欠損する疾患は総称してライソゾーム病と呼ばれます。ポンぺ病はライソゾーム酵素の一つであるGAAの遺伝子が欠損、または活性が低いためにグリコーゲンが筋肉内に蓄積する進行性の疾患です。グリコーゲンの蓄積により筋肉が損傷するため横隔膜などの筋肉も動かしづらくなり、運動機能に加え呼吸器機能も低下します。
avalglucosidase alfa
avalglucosidase alfaは筋細胞内で欠如、または活性が低下しているGAA酵素をライソゾームに届けることでグリコーゲンの分解を促進します。筋細胞内のライソゾームにGAAを高効率で届けるために、GAAの輸送に関与するマンノース6リン酸受容体のレベルを従来の約15倍増加させるよう設計されています。そのため細胞内へのGAA酵素の取り込みが向上しており、承認が得られればポンぺ病に対する新たな標準治療となる可能性もあります。今回の申請は、先立って行われた2つの臨床試験によって得られた結果に基づいています。
出典元
サノフィ プレスリリース