らいそぞーむびょうライソゾーム病Lysosomal storage disease
指定難病19
ライソゾーム病
ゴーシェ病
ニーマンピック病A型
ニーマンピック病A型
ニーマンピック病C型
GM1ガングリオシドーシス
GM2ガングリノシドーシス
クラッベ病
異染性白質ジストロフィー
マルチプルサルファターゼ欠損症
ファーバー病
ムコ多糖症I型
ムコ多糖症II型
ムコ多糖症III型
ムコ多糖症IV型
ムコ多糖症VI型
ムコ多糖症VII型
ムコ多糖症IX型
ヒアルロニダーゼ欠損症
シアリドーシス
ガラクトシアリドーシス
ムコリピドーシスII型
ムコリピドーシスIII型
α-マンノシドーシス
β-マンノシドーシス
フコシドーシス
アスパルチルグルコサミン尿症
シンドラー病
神崎病
ポンぺ病
酸性リパーゼ欠損症
ダノン病
遊離シアル酸蓄積症
セロイドリポフスチノーシス
ファブリー病
シスチン症
実施中の治験/臨床試験
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病気・治療解説
概要
人の体は何億もの細胞という小さな単位の集まりです。細胞は、体の臓器を形作りそれぞれの役割を果たしています。細胞が正常な新陳代謝を営んでいるとき、人は健康な体を保つことができます。生きている細胞は、常に新しい物質を作り、体の成分としたりエネルギーとしたりしています。そして、古くなったものは分解して捨てたり再利用したりしています。この古いものを分解する場所が細胞の中にあるライソゾームというところです。したがって、ライソゾームの中には数多くの分解酵素が存在しています。この分解酵素の一つが先天的に欠損しているために起こる病気がライソゾーム病です。欠損する酵素の種類によっていろいろな病気があり、症状も異なっています。現在、約30種のライソゾーム病が知られています。症状はそれぞれの病気で異なっていますが、共通点は、ライソゾームの中に分解されない老廃物が次第に蓄積していくということです。このことから、ライソゾーム病はすべて年齢とともに次第に病気が進行して悪化していく病気です。
疫学
ライソゾーム病のほとんどは、「常染色体性劣性遺伝形式」という遺伝形式で遺伝します。常染色体性劣性遺伝形式とは、「メンデルの遺伝の法則」でご存知のように、劣性の病気の遺伝子を持っている人(保因者)同士が結婚して、産まれる子どもの4人に1人が病気になります。保因者は、全く健康ですから誰が保因者であるかは検査をしないと分かりません。保因者の頻度は、これも病気によって異なりますが、ライソゾーム病の場合は一般的に150人から200人に1人くらいです。そして、同じ病気の保因者同士が結婚したときに初めて病気の子供が産まれる可能性が出てきます。一部のライソゾーム病は、「X連鎖性劣性遺伝形式」です。この場合には、保因者の女性が子どもを産んだとき、男の子の2人に1人に病気の子供が産まれます。ファブリー病は例外的で女性も発病することが多いため、劣性と言わずに「X連鎖性遺伝形式」と呼んでいます。
私たちは、それぞれ約2万5千個の遺伝子を持っています。そして、すべての人は、健康であっても、病気の遺伝子をひとりあたり約10個持っています。同じ病気の遺伝子を持った保因者同士が結婚することは極めて希ですが、たとえばいとこ結婚のような血縁者との結婚では、同じ遺伝子を持っている確率が高くなりますので、起こりやすいと考えられます。
罹患数
それぞれの病気は、一般に極めて希です。20万人に1人から10万人に1人くらいで、病気によって頻度は異なります。
原因
どういう酵素が欠損しているかわかっており、血液で酵素活性を測定することによって欠損していることがわかります。また、その酵素を作っている遺伝子も、多くのものが明らかにされています。
遺伝
3で述べたとおり、遺伝します。
症状
1で述べたとおり、ライソゾーム病は次第に悪くなる病気です。産まれてすぐは、ほとんどの場合、全く正常な赤ちゃんです。診察しただけでは、病気は全くわかりません。成長するにつれて、だんだんと症状が現れてきます。病気の種類によって症状は異なりますが、神経系の症状が出てくるものが多く見られます。お座りができていたのにできなくなったとか、歩けていたのに歩けなくなったとか、しゃべれなくなったとか、痙攣といった症状が乳児期や幼児期、あるいは学童期に起こり、だんだん進行します。それ以外に、肝臓や心臓が大きく腫れてくるとか、骨や関節が次第に曲がってくるという症状が出てくるものもあります。
治療法
ほとんどのライソゾーム病には完全に治る治療法はありませんが、現在は以下のような治療法があります。
➀ 酵素補充療法:欠損している酵素を点滴して治療する方法です。しかし、一生定期的に点滴治療を続けなければいけません。酵素補充療法は、現在のところゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症I型、II型、VI型です。平成27年4月よりムコ多糖症IVA型が加わる予定です。酸性リパーゼ欠損症も1,2年以内に加えられると思われます。しかし、静脈から酵素を投与する方法は脳へ酵素が到達しないため、脳の治療のために頭や脊髄から直接酵素を投与する臨床治験が始まっています。
② 造血幹細胞移植:人の骨髄を採取して移植する場合と臍帯血を用いて移植する場合とがあります。以前は、臍帯血の成績が悪かったですが、最近はほぼ同等になってきています。臍帯血の場合は、ドナーの確保が骨髄に比べて容易です。クラッベ病、異染性ロイコジストロフィー、ムコ多糖症I型、II型の重症型で多く行われています。内臓身体症状に対する効果は酵素補充療法とほぼ同等と思われていますが、脳に対してはドナー由来の幹細胞が脳へ移行して効果を現すことができると考えられており、脳の合併症がある疾患群では選択肢となっています。
③ シャペロン療法:お薬により働きができない異常な酵素を安定化させて、少し働きを持たせるようにする治療法です。症状の進行が緩やかになります。お薬として口から飲めるうえ、脳の症状にも効果があります。しかし、遺伝子変異の種類によっては効果が無いこともあります。ファブリー病やゴーシェ病で臨床治験が行われています。
④ 基質削減療法:蓄積の原因となる物質の生成を減らすことにより、蓄積の速度すなわち病気の進行速度を緩やかにさせる治療法です。現在、日本ではニーマンピックCのお薬があります。もうすぐ、ゴーシェ病のお薬も発売されます。
⑤ 遺伝子治療:異染性ロイコジストロフィーやムコ多糖症III型などで臨床治験が行われています。
経過
ライソゾーム病は進行性です。治療法の無いものでは、神経や体の臓器が次第に悪くなって寝たきりになり、幼児期や小児期に死亡します。軽症型といわれるもののなかには、健康人とあまり変わらない寿命のものもあります。いろんな治療により、正常に近い生活ができたり、病気の進行を遅らせたりすることができます。
次第に進行する病気ですから、できるだけ早く診断して治療を始めなければいけません。一部の施設では、新生児スクリーニングによる早期診断も行われています。
※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。