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DNA/DNA2本鎖核酸による効率的な遺伝子抑制効果を確認

東京医科歯科大学の研究グループは革新的な次世代の核酸医薬である「DNA/DNA2本鎖核酸」を開発したと発表しました。この技術は将来的にB型肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、アルツハイマー病などの難治性疾患の治療法としての応用が期待されています。

アンチセンス核酸は、標的とするmRNAに対し相補的なDNAやRNAを結合させることでmRNAの発現を抑制する核酸医薬です。従来の低分子化合物や抗体などでは抑制が難しい細胞内の遺伝子に対し直接アプローチできることから、近年特に関心が高まっています。過去に研究グループは、従来の1本鎖アンチセンス核酸の効果を向上させたDNA/RNAヘテロ2本鎖核酸を開発しました。しかしDNA/RNAヘテロ2本鎖核酸がその効果を発揮するためには酵素により分解される必要があったため、2本鎖核酸のデザインは限られていました。そこで本研究では、さらに改良を加えDNA/DNAヘテロ2本鎖核酸の開発を目指しました。

アンチセンス核酸に相補鎖DNAを結合したDNA/DNAヘテロ2本鎖核酸を作製し、さらに相補鎖にビタミンE誘導体を結合させマウス静脈内に投与したところ、1本鎖のアンチセンス核酸に比べ肝臓の標的RNAを顕著に抑制しました。この遺伝子抑制効果は複数の標的RNAに対しても有効であり、元となるアンチセンス核酸の長さを変えた時にも有効でした。これまでの核酸医薬は臓器障害やサイトカインの上昇が問題となっていましたが、DNA/DNAヘテロ2本鎖核酸ではマウスへの投与後に肝臓や腎臓の障害はなく、サイトカインの上昇もありませんでした。

出典元
東京医科歯科大学 プレスリリース

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