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どらべしょうこうぐん
ドラベ症候群Dravet's syndrome

指定難病140

ドラベ症候群

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病気・治療解説

概要

それまで健康であった赤ちゃんが、多くの場合は1歳までに全身あるいは半身のけいれんで発症し、その後もけいれんを何度も繰り返す病気です。けいれんは発熱や入浴で誘発されやすく、けいれんを止めるために病院で注射が必要になることも少なくありません。
1歳を過ぎるとその他のてんかん発作を合併することもあり、多くの場合てんかん治療薬の効果は十分ではなく、次第に発達の伸びが鈍ってきます。

罹患数

日本全国で3000人いると見積もられていますが、成人例などで十分に診断されていない人もいると考えられ、もう少し多いと考えられます。

疫学

この病気になりやすい特別な要因は今のところ知られていません。

原因

ナトリウムチャネル遺伝子SCN1Aの遺伝子異常を8割弱の患者さんが有していることがわかっています。この遺伝子の機能低下により神経細胞の過剰な電気発射が生じるために難治性てんかんを発症するとともに、発達の遅れや運動失調が出現すると考えられています。残りの2割強の患者さんの原因は今のところ不明です。

遺伝

ほとんどの場合はご両親の遺伝子には異常がなく次子発症のリスクは高くないと考えられています。しかし、血液細胞には認められない遺伝子異常がご両親の精子か卵子の一部にのみ見られる場合が稀にあり(性腺モザイクと言います)、一般の発症リスクよりは少し高くなる可能性が指摘されています。
ご家族に熱性けいれんの既往や何らかのてんかんがある場合には、ご両親のいずれかが同じ遺伝子異常を有している可能性が稀ながらあります。このような場合にも次子における発症リスクの高まる可能性が考えられます。
遺伝子異常を有する患者さんに将来お子さんができた場合には、50%の確率で遺伝子異常が遺伝する可能性があり、ドラベ症候群を発症する可能性が高いと考えられますが、それ以外のてんかんを発症する可能性も少ないながらあります。

症状

(1)てんかん発作:全身あるいは半身のけいれんを繰り返します。けいれんは発熱や入浴などの体温上昇で引き起こされやすく、無熱性に誘因なしで起こることもあります。5分経ってもけいれんが止まらないけいれん重積に至ることも多く、救急病院で抗けいれん剤の注射を要することがしばしばあります。半身けいれんは発作によって左右が一定しないことがあります。1-3歳頃からは数秒間ぼんやりしたり体の力が緩む欠神発作や、覚醒中に一瞬四肢がぴくつくミオクロニー発作が現れる場合があります。縞模様や点滅する光を見ることで欠神発作、ミオクロニー発作が誘発されたり、これらの発作から全身けいれんへと移行する場合があります。
(2)精神運動発達遅滞:1歳まではほぼ正常発達を示すことが多いですが、1歳以後に発達が伸び悩み、学童期には重度から境界域まで様々な知的障がいを有することが多いです。けいれん重積などをきっかけに脳症を起こしてしまう稀な場合を除くと、できたことができなくなってしまう退行は一般にありません。
(3)運動機能:歩行獲得が遅れることがあり、歩行可能になってもふらつきが持続することが多く、成人期以降に歩行障害が悪化することも知られています。手先はあまり器用ではないことが多いです。
(4)行動特性:多動、衝動性、集中力不足などの広汎性発達障がいの症状を伴うことが少なくありません。これらの症状の一部は抗てんかん薬の副作用として現れる場合もあり、薬によるものかこの病気によるものか区別の難しい場合もあります。

治療法

てんかんの治療薬を最初に使用します。バルプロ酸、臭化物、クロバザム、スチリペントール、トピラマートなどから2-3種類組み合せて使用することが多いです。合併する発作型が多い場合には多剤併用になりがちですが、できるだけ少ない種類の薬に絞り込んで薬の副作用を最小限にすることが望ましいです。ケトン食や修正アトキンス食などの低糖質、高脂質食が有効な場合があります。脳外科手術は一般に効果がないと考えられています。

経過

けいれん発作の減少、けいれん重積の減少、覚醒中のけいれんから睡眠中のけいれんへの変化など、けいれん発作は6歳を過ぎると改善傾向を示すことがあります。成人になっても、完全に発作が見られなくなることは稀で、発熱による発作誘発は成人後も見られることが多いとされます。程度の差はありますが合併する知的障がい、運動失調、行動特性などのために、成人期にも自立した社会生活を送ることは困難で、何らかの援助を必要とすることが多いです。

患者さんに知って欲しいこと

体温上昇によってけいれん発作が誘発されやすいので、入浴によるけいれん誘発のあったお子さんでは湯温を下げる、湯舟に浸かる時間を短くする、シャワー浴にするなどの工夫によりけいれんの回数を減らせられる可能性があります。
発熱によるけいれん誘発については早めのジアゼパム坐剤の使用が有効な場合があります。
光の点滅や図形・模様の凝視で体のぴくつきやけいれんが誘発される場合には、視野を遮ったり顔を背けさせるとけいれんにならないで済む場合があります。
多動、衝動性に加えて運動失調もあるので発作以外にも転倒、受傷の可能性があり、普段から注意が必要です。覚醒中に突然のけいれんで倒れる可能性のある場合は、頭部保護帽の着用が安全ですが、熱がこもるというデメリットもあります。夏の暑さでけいれんが誘発される場合には保冷剤を収納できる衣服の着用が役に立つ場合があります。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。