パーキンソン病の集束超音波治療における両側の重い後遺症を防ぐ「非対称両側治療」を提言
東京女子医科大学は10月21日、パーキンソン病の集束超音波治療において両側を治療する際に生じる重い後遺症を防ぐ「非対称両側治療」を提言したと発表しました。
パーキンソン病(指定難病6)は、振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)などの症状が起こる疾患です。
集束超音波治療は、頭蓋骨を切開せず、超音波の熱で脳内の標的を治療する方法として普及が進んでいます。しかし左右で同じ標的を治療した場合、目的とする回路だけでなく周辺の神経回路も両側性に損なわれ、歩行や姿勢、発話に関わる重い後遺症が生じる可能性があるという課題がありました。Dalvi氏らが発表した国際臨床試験の報告では、両側治療を受けた40例中10例で12か月後も中等度以上の有害事象が持続したとされています。このような後遺症を避けるため、東京女子医科大学では2016年から左右で同じ場所を治療するのではなく、同じ運動回路上の異なる部位である片側の淡蒼球と反対側の淡蒼球視床路を組み合わせる非対称両側治療を実践してきました。解剖学的に異なる場所を選択することで、運動症状への治療効果を保ちつつ、周辺回路が左右とも損傷を受けるリスクを減らすことができます。
同大学では、これまで淡蒼球視床路の治療を500例以上行い、非対称両側治療を行った56例において新たな姿勢反射障害や歩行障害は発生していません。
東京女子医科大学はプレスリリースにて、「世界に先駆けて積み重ねてきた臨床経験を共有し、より安全な治療の普及に貢献していきます」と述べています。
なお、同研究の成果は、「The Lancet Neurology」誌に掲載されました。
