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潰瘍性大腸炎治療薬ENTYVIOの治験結果を発表、合併症リスク約70%低下

武田薬品工業株式会社は10月19日、潰瘍性大腸炎治療薬「ENTYVIO(ベドリズマブ)」の第4相臨床試験「VERDICT試験」に関する新たなデータを発表しました。

潰瘍性大腸炎(指定難病97)は、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができることで、腹痛や下痢、血便などの症状が起こる疾患です。患者さんの最大30%は、時間経過とともに、痛みの悪化や再発、入院、手術といった合併症が起こる可能性があります。これらは日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的・金銭的な負担を伴うことがあります。

VERDICT試験は、中等症から重症の成人潰瘍性大腸炎患者さん672例を対象に実施された前向き無作為化試験です。同試験では、副腎皮質ステロイドを使用せずに症状のない状態を目指す群と、症状に加えて内視鏡的および組織学的な寛解を組み合わせた「疾患クリアランス」を目指す群などを比較評価しました。その結果、疾患クリアランスを目標とした治療群では、症状の寛解のみを目標とした群と比べて初回合併症の発現までの期間が有意に延長し、合併症のリスクが約70%低下したことが確認されました。また、治療目標を達成した患者さんのうち57%が、投与開始から16週時点で疾患クリアランスを達成しています。

96週間の追跡において確認された安全性プロファイルは、これまでの報告と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。主な有害事象としては潰瘍性大腸炎、貧血、血便、新型コロナウイルス感染、インフルエンザ、鼻咽頭炎、関節痛が報告されています。

Western Universityの医学部教授であり、Alimentiv社のchief medical officerで同試験の筆頭著者のVipul Jairath氏(MBChB、DPhil、FRCP、FRCPC)はプレスリリースにて、「目に見える炎症と顕微鏡レベルの炎症の両方に対処し、より深い寛解を達成することが、潰瘍性大腸炎の長期的な負担軽減につながるかについて、近年議論が高まっています。VERDICT試験の結果は、Treat-to-Targetの導入が疾患経過を変える可能性を示唆しています。また、16週以内に、より深く持続的な疾患コントロールを目指すENTYVIOを用いた治療のエビデンスをさらに強化するものです」と述べています。

また、武田薬品工業の消化器系・炎症性疾患領域、グローバルメディカルアフェアーズのバイスプレジデントであるVijay Yajnik氏は、「潰瘍性大腸炎の患者さんは、症状が緩和しても、体内で起きていることの全容を把握できるとは限りません。副腎皮質ステロイドを使用せずに深い治癒と疾患コントロールを達成することは、重要な治療目標です。VERDICT試験のデータは、投与開始後16週以内に疾患クリアランスを含むアウトカムの達成における腸管に選択的に作用するENTYVIOの可能性をさらに裏付けるとともに、生物学的製剤による治療歴のない患者さんにおける腸管機能の回復を示唆する、新たな分子・細胞レベルのエビデンスを提供するものです。VERDICT試験は、潰瘍性大腸炎の治療戦略や標準治療をめぐる複雑な課題の解明に向け、エビデンスの創出に取り組む当社の姿勢を示すものです」と述べています。

同研究の成果は、国際学会「United European Gastroenterology Week」で発表され、学術誌「United European Gastroenterology Journal」に掲載されました。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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