【米国】開発中のVenglustat、ゴーシェ病3型の治療薬としてブレークスルーセラピー指定を取得
仏サノフィ社は3月18日、開発中の新規の経口グルコシルセラミド合成酵素阻害剤「venglustat」が、まれな遺伝性疾患であるゴーシェ病3型の神経症状に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピーの指定を受けたと発表しました。
ゴーシェ病は、特定の酵素が欠乏することで糖と脂質が結合した分子が体内のさまざまな臓器に蓄積する疾患です。なかでもゴーシェ病3型は、中枢神経系に原因物質が蓄積し、進行性の神経症状が現れるのが特徴です。肝臓の腫れなどの全身症状は従来の酵素補充療法で治療できますが、神経症状に対して承認された治療薬は現時点ではありません。
Venglustatは、原因物質の異常な蓄積を抑える働きがあり、血液脳関門を通過して直接中枢神経に届くように設計されています。第3相臨床試験では、酵素補充療法を受けた患者と比較して、神経症状を総合的に評価するテストにおいて統計学的に有意な改善が確認されました。試験における同薬の忍容性はおおむね良好で、過去の試験から予測されない新たな安全性に関する懸念は認められていません。
サノフィの希少疾患領域グローバル開発ヘッドのカレン・ノーブ氏はプレスリリースにて、「今回の薬事マイルストーンの達成は、とりわけ進行性の神経症状を抱えるゴーシェ病3型の患者さんに依然として大きなアンメットメディカルニーズが存在することを改めて示すものです。LEAP2MONO試験で肯定的な結果が得られたことにより、研究開発はさらに一歩前進しました。私たちは今後もFDAと連携し、新たな治療選択肢としてお届けできるよう活動を続けてまいります」と述べています。
Venglustatは、ゴーシェ病3型の治療薬として、すでに米国においてファストトラック指定を取得しており、2026年中にゴーシェ病3型の治療薬としての承認申請を世界各国で進める予定です。
FDAのブレークスルーセラピー指定は、重篤または生命が脅かされる疾患を対象とした開発中の新薬について、開発と審査を迅速に進めるための制度です。指定には、既存の治療薬を大きく上回る改善効果を示す予備的な臨床エビデンスが必要となります。
