1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. アラジール症候群(ALGS)・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)に対する治療薬リブマーリが発売

アラジール症候群(ALGS)・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)に対する治療薬リブマーリが発売

武田薬品工業株式会社は6月12日、回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬「リブマーリ内用液10mg/mL」(一般名:マラリキシバット塩化物、以下、リブマーリ)」について、アラジール症候群(ALGS)・と進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)における胆汁うっ滞に伴うそう痒を効能又は効果として、発売したと発表しました。

アラジール症候群(指定難病297、ALGS)と進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(指定難病338、PFIC)は、いずれも重度なそう痒を伴う進行性の肝機能障害を引き起こすまれな遺伝性疾患です。

アラジール症候群(ALGS)は、小葉間胆管の減少を伴い、胆汁うっ滞により最終的に進行性の肝機能障害に至ります。推定発症率は約3万人に1人とされ、日本の全国調査では国内患者数は200人から300人程度と推測されています。肝臓、心臓、腎臓、中枢神経系など、複数の臓器に形成異常が認められる場合があります。アラジール症候群(ALGS)の患者さんの60%から75%が成人に達する前に肝移植を行う必要があると報告されています。症状には黄疸、黄色腫、そして重度のかゆみがあります。アラジール症候群(ALGS)の患者さんが経験するそう痒は、慢性肝疾患の中でも特に重度であり、その大半が生後3年目までに発症するとされています。

一方、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、肝細胞の胆汁分泌能力が低下し、肝細胞内に胆汁が蓄積することで進行性の肝疾患に至るまれな遺伝性疾患です。米国と欧州では、出生児の5万人から10万人に1人がこの病気にかかっていると推定されています。

リブマーリの製造販売承認は、アラジール症候群(ALGS)を対象とした国内臨床第3相試験(TAK-625-3001試験)および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)を対象とした国内臨床第3相試験(TAK-625-3002試験)に加え、海外で行われた複数の臨床試験で得られたエビデンスに基づいたものです。

リブマーリは、米Mirum Pharmaceuticals社が開発した薬剤であり、武田薬品は、2021年9月に日本における独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。同剤は、既に米国や欧州などにおいて、アラジール症候群(ALGS)では40カ国以上、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)では30カ国以上で承認されています。

武田薬品ジャパンファーマビジネスユニット第二事業部事業部長の大山尚貢氏は「リブマーリをALGSおよびPFICにおける胆汁うっ滞に伴うそう痒を効能又は効果とする日本で初めての治療薬として患者さんにお届けできることをうれしく思います。ALGSおよびPFICは、乳幼児期に診断されることが多い疾患で、胆汁うっ滞に伴う激しいそう痒は患者さんおよびその介護者の夜間の不眠やQOLの低下につながります。リブマーリを新たな治療選択肢としてお届けし、一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

関連記事