潰瘍性大腸炎に対する「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT療法)」の新たな特定臨床研究を開始
順天堂大学は10月29日、2026年9月8日よりメタジェンセラピューティクス株式会社と共同で、活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT療法)」の多施設共同ランダム化比較試験を開始したと発表しました。
潰瘍性大腸炎(指定難病97)は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を起こす指定難病であり、国内の患者数は30万人以上と推定されています。発症原因の一つとして腸内細菌叢の乱れが関与していることが明らかになっています。
A-FMT療法は、3種類の抗菌薬により乱れた腸内細菌叢をクリアにした後、ドナー便から生成した腸内細菌溶液を注入し、バランスのとれた腸内細菌叢の構築を図る治療法です。2023年から2025年にかけて実施された厚生労働省承認の先進医療Bでの多施設共同臨床研究では、寛解導入率45.9%を達成し、主要評価項目を満たす有効性が確認されました。また、重篤な有害事象は認められず、安全性が担保された治療法であることが示されています。
今回の試験では、臨床実装を見据えて規模を拡大し、より広い臨床現場における適用可能性を検討します。さらに、先進医療Bで2週間だった抗菌薬の投与期間を5日間に短縮して有用性や安全性を検証するほか、プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験を通じて効果発現メカニズムの解明を行います。共同研究機関のメタジェンセラピューティクス株式会社は、ドナーのリクルーティングや便検体の管理支援、や腸内細菌叢溶液の作成・輸送支援などを担当します。
