1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. 多系統萎縮症(MSA)に関わる新たな遺伝子変化を発見、BIN1遺伝子の変異を同定

多系統萎縮症(MSA)に関わる新たな遺伝子変化を発見、BIN1遺伝子の変異を同定

広島大学、独立行政法人国立病院機構呉医療センター、山口大学と愛知医科大学の研究グループは9月24日、多系統萎縮症(MSA)の新規原因としてBIN1((Bridging integrator1)遺伝子のイントロンのAGGリピート伸長変異を同定したと発表しました。

多系統萎縮症(MSA、指定難病17)は、起立性低血圧などの自律神経障害や手足の動かしにくさといった小脳失調、パーキンソン症状などをきたす神経変性疾患で、原因や治療法が十分に分かっていません。

今回、研究グループは、複数の患者さんが見られた家系の全ゲノムをロングリードシーケンサーで解析し、BIN1遺伝子の第1イントロン内にAGG配列が異常に長く繰り返されるリピート伸長を発見しました。病理診断で確定した多系統萎縮症患者の脳組織67例中9例(13.4%)でこのリピート伸長が認められた一方、健常者の脳65例では認められませんでした。また、リピート伸長が小脳のみで検出された患者さんも確認され、後天的に脳の一部の細胞で起こる体細胞変異であることも明らかになりました。

画像はリリースより
画像はリリースより

患者さんの脳組織では、BIN1タンパク質が病気の特徴であるαシヌクレインとともに病変(グリア細胞質内封入体)内に蓄積し、膜状構造を介して密接に関係していることが判明しました。

以上の研究成果により、BIN1遺伝子が多系統萎縮症の病因として重要であり、将来的に診断バイオマーカーや治療標的となりうると示唆しています。

出典
広島大学 プレスリリース

関連記事